ホームマーケット日々のマーケットレポート2015年度の「予算案」(日本)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

2015年度の「予算案」(日本)【キーワード】

2015年1月16日

<今日のキーワード>
日本の予算は、4月1日から翌年3月31日までの会計年度において年間予算として作成されます。「予算案」は、財務相が作成して閣議決定を行った後、内閣が1月から始まる通常国会に提出し、衆参両院での議論を経て、通常3月末日までに成立することとなっています。この予算に加えて、年度の途中で、予算の内容に変更・追加をするように組まれる補正予算などがあります。

【ポイント1】2015年度予算案は過去最大規模、税収増加で国債発行は減少

財政健全化の中間目標は達成へ
■14日に2015年度「予算案」が閣議決定されました。一般会計の総額は96兆3,420億円と過去最大の規模となりました。歳入では、企業業績の拡大などにより税収の増加が見込まれ、国債などの発行が減少する見込みです。このため国債依存度は前年度の43.0%から38.3%へ改善し、6年ぶり(当初予算ベース)に40%を下回る見込みです。また、新規国債発行を除いた歳入と政策経費の差額である基礎的財政収支の赤字幅は▲13兆4,123億円と前年度比4兆5,675億円の改善が見込まれます。赤字幅を2010年度の国内総生産比▲6.6%から2015年度に同▲3.3%へ半減させる、財政健全化の中間目標は達成される見込みです。

【ポイント2】社会保障費の増加傾向は続く

地方創生や子育て支援に重点
■歳出では、医療や介護などの社会保障費が前年度比+1兆30億円増加の31兆5,297億円と大幅に増加する見込みです。介護サービス料金の引き下げを行う予定ですが、高齢者人口の増加により総額は増加します。高齢化社会の進展に伴い財源の確保などに課題が残ります。

■2015年度の「予算案」は地方創生、子育て支援に重点が置かれました。地方創生では、まち・ひと・しごと創生事業費(仮称)として1兆円の予算を計上しています。子育て支援では、4月から子ども・子育て支援新制度をスタートさせ、待機児童の解消加速化などを進めます。

【今後の展開】税制改正や予算面でアベノミクスを支援

■法人税改革に着手
14日に2015年度の税制改正大綱も閣議決定されました。法人税改革に着手し、法人実効税率を引き下げる一方、企業の所得ではなく事業規模による課税(外形標準課税)を拡充することなどにより、一部企業に偏っていた法人税を幅広い企業から徴収するしくみに変更します。

■経済の好循環への移行に期待
2015年度の予算案や税制改正はアベノミクスの成長戦略が色濃く反映されています。今後、アベノミクスの成長戦略のひとつである、企業業績の拡大が賃金増加に結びつき消費を喚起するという「経済の好循環」を着実に実現していくことが期待されます。

関連マーケットレポート