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2014年を振り返るキーワード  「消費税」率引き上げと再引き上げ延期(日本)【キーワード】

2014年12月25日

<今日のキーワード>
「消費税」率の引き上げは、2012年の社会保障と税の一体改革で決定されました。しかし、今年4月の8%への引き上げにより景気が悪化し、来年10月の10%への引き上げは延期されることになりました。「今年の漢字」が“税”に決まったように、今年は「消費税」に振り回される1年でした。

【ポイント1】増税で2四半期連続のマイナス成長に

税率再引き上げは1年半延期の2017年4月
■消費税率引き上げの影響は予想外に大きいものとなりました。スーパー、百貨店の売上高は、11月も前年割れが続いています。賃金増加や株価上昇などを背景とした消費回復のシナリオにやや不透明感が出てきました。

■消費のもたつきは企業の生産活動にも影響し、日本の経済成長率は7-9月期まで2四半期連続のマイナスとなりました。こうしたことを受け、安倍首相は11月18日、来年10月の税率再引き上げの延期を表明し、衆議院の解散総選挙に踏み切りました。

【ポイント2】財政健全化は後退

国債は格下げ
■政府は基礎的財政収支の赤字幅を2015年度には2010年度比半減させ、2020年度に黒字化する目標を掲げています。増税を1年半延期することで、財源をどのように確保するかという課題が残ります。政府は税率引き上げ延期による税収減は、経済成長に伴う税収増で補う考えです。

■米国の大手格付け会社ムーディーズは、税率引き上げの延期などを受けて日本国債の格付けを1段階引き下げました。財政健全化の遅れが国債利回りの上昇につながらないよう、財政への信認維持に向けた政府の対応が期待されます。

【今後の展開】次の税率引き上げを可能とするよう、着実な景気回復への政策が必要

■来年は消費持ち直しへ
来年は、税率引き上げが延期されたことで増税負担がなくなり、消費の持ち直しが期待されます。また、企業業績が拡大基調にあることなどから賃金の増加による消費の押し上げ効果も期待されます。来年は消費の持ち直しなどを背景に、景気は上向くと見られます。

■成長戦略を軌道に乗せることが重要
2017年4月の税率引き上げまで、景気の立て直しに猶予が出来ました。今年のような景気の腰折れが起こらないように、アベノミクスの成長戦略を軌道に乗せ、あわせて財政健全化を推進することが期待されます。

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