景気ウォッチャー調査(2014年10月)(日本)【キーワード】
2014年11月12日
<今日のキーワード>
内閣府が毎月実施する景況感に関する調査です。「街角景気調査」とも呼ばれ、タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。
【ポイント1】天候不順などの影響を受け現状判断DIが低下
家計動向、企業動向、雇用ともに低下
■10月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間10月25日~31日)は、「現状判断DI」が前月比▲3.4ポイントの44.0ポイントと低下し、3カ月連続で中立の50ポイントを下回りました。家計動向が同▲4.4ポイントと大きく低下し、企業動向(同▲1.7ポイント)や雇用(同▲1.2ポイント)も低下しました。
■街角の声には、「今月は2週続けて客の多い土日に台風が来たことで、来客数が非常に落ちてしまっている(南関東のスーパー)」など、天候不順の影響を受けたとの声が多く聞かれました。
【ポイント2】先行き判断DIは2カ月連続で中立以下
消費税増税や燃料高を懸念
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は前月比▲2.1ポイントの46.6ポイントと5カ月連続で低下し、2カ月連続で中立の50ポイントを下回りました。家計動向、企業動向、雇用ともに低下しました。
■街角の声には、「消費税率10%への引上げに伴う心理的不安、生活必需品の価格の値上げ、また、これから冬にかけて灯油などの価格の高値、高止まりなどがあるため、買い控えが進行する(東北のスーパー)」と増税や燃料高を懸念する声が聞かれる一方、「新型車の発売やモデルチェンジが予定されており、販売増が見込める(四国の乗用車販売店)」と言った前向きな声も聞かれました。

【今後の展開】株高による消費者心理の好転と、円安による企業業績の上方修正に期待
■株価上昇による消費者心理の好転を期待
10月31日に日銀が予想外の量的・質的金融緩和策の拡充を発表したことで株式や為替市場は大きく変動しました。日経平均株価は約7年ぶりに17,000円台をつけるなど大きく上昇しました。天候不順の影響は一段落したと見られ、今後は株価上昇による消費者心理の好転が期待されます。
■円安効果で企業業績の上振れにも期待
米ドル円レートは約7年ぶりに1米ドル115円台をつけるなど為替市場も大きく変動しました。円安は企業業績に全体としてはプラスに働くと思われます。企業が想定する今年度下期の米ドル円レートは105円程度と見られ、現在の水準が続けば10円程度の円安となり、企業業績の上振れ期待が高まります。企業業績の拡大により賃金上昇、消費回復への好循環が期待されます。