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オフィスビル空室率(2014年10月)(日本)【キーワード】

2014年11月10日

<今日のキーワード>
オフィスビルの「空室率」は、オフィス仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しているデータで知ることができます。「空室率」のほか、オフィスビルの平均賃料や棟数などが公表されています。東京、横浜、大阪、名古屋、札幌、福岡のビジネス地区について新築、既存ビルに分けられたデータとなっています。

【ポイント1】新築ビルによる供給増を吸収し空室率は低下

賃料は10カ月連続で上昇、直近の底値から+4.4%上昇
■7日公表の資料によると、10月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスビル空室率は、前月比▲0.05ポイントの5.60%と16カ月連続で低下しました。10月は新築ビル2棟が概ね満室で稼働しました。新規の供給が増加するなかで小幅ながら空室率が低下していることから、都心部での不動産需要の底堅さがうかがわれます。

■また、10月の同地域のオフィスビル平均賃料は前月比+0.64%の16,913円(1坪当り)と10カ月連続で上昇し、直近の底値(2013年12月)から+4.4%上昇しました。新築ビルの平均賃料は前月比横ばいでしたが、既存ビルが上昇しました。

【ポイント2】空室率は全国的に低下

企業業績の好調さが背景
■地方都市のオフィスビル空室率も順調に低下しています。10月の空室率は、名古屋市、福岡市、横浜市が前月比▲0.2ポイント以上の低下を示し、大阪市、仙台市、札幌市も小幅に低下しました。地方の空室率は、2010年後半から2011年前半を最悪期として、低下傾向となっています。

■空室率低下の背景には、堅調な企業業績があります。法人企業統計によると、全産業の経常利益は2010年度以降増加を続け、2013年度は2009年度比約1.9倍に拡大しました。企業業績の回復によりオフィス需要が拡大してきたと見られます。

【今後の展開】J-REITは配当増期待に加え、日銀の買い入れ増が支援材料に

■オフィスビルの賃料上昇は続く見込み
不動産賃料の過去の推移を見ると、底値からピークまでの期間は4~5年程度となっています。直近では、2013年末に底打ちしてからまだ1年程度しか経過しておらず、賃料の上昇は続くと見られます。

■日銀がJ-REIT買い入れ額を3倍に
10月31日に日銀が追加の金融緩和を発表し、J-REITの年間買い入れを3倍の900億円に増額しました。J-REITは海外と比べオフィスに特化したものが多く、今後は賃料収入増による配当金の増加期待に加え、日銀の買いも支援材料と見られます。

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