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国家戦略特区(日本)【キーワード】

2014年10月16日

<今日のキーワード>
国が認定した特定の区域において、法制度などの規制を緩和し、事業などを行いやすくする制度です。2013年6月に策定された成長戦略「日本再興戦略」の1つとして、岩盤規制を打ち破り、国際競争力を強化するため制定されました。2013年秋の臨時国会で法制度化され、2014年5月に、東京圏、関西圏、新潟市、養父市(兵庫県)、福岡市、沖縄県の6区域が指定されました。

【ポイント1】政府主導で大胆な規制緩和を進める

今までにないスピードと効果に期待
■特区(特別区域)は、2003年の小泉政権時に「構造改革特区」、2011年の民主党政権時に「総合特区」として制度化され、現在も続いています。しかし、その効果はあまり感じられないのが実情です。

■今までの「特区」は、主に民間からの要請を受け、規制を緩和する形で行われていたのに対し、今回の「国家戦略特区」は、内閣総理大臣が主導し、地方自治体や民間と協議を行い規制緩和を進める形となっており、今までにないスピードと効果が期待されています。

【ポイント2】東京圏、関西圏など6区域を認定

農業や医療などの岩盤規制緩和にも取り組む
■今回の「国家戦略特区」は6区域が指定され、各区域にふさわしい規制緩和が行われる予定です。10月1日に東京圏国家戦略特区会議が開かれ、主に海外企業の誘致や容積率の緩和など国際的なビジネス拠点作りのための規制緩和の素案が示されました。

■関西圏ではiPS細胞(人工多能性幹細胞)の有効活用など、主に医療分野の規制緩和を進めます。新潟市、兵庫県養父市では農業の規制緩和、福岡市では創業のための雇用改革、沖縄県では国際観光都市を目指した規制緩和を行う予定です。また、効果がある規制緩和については全国への展開も視野に入れています。

【今後の展開】「国家戦略特区」による中長期的な成長力アップに期待

■今秋の臨時国会に改正法案を提出
現在行われている臨時国会で、改正案の提出が予定されており、更なる規制緩和が期待されます。改正案では、ビジネス環境の改善・グローバル化、公的インフラ等の民間開放、社会保障制度の改革、地方創生モデルの構築などの分野で新たな規制緩和が検討されています。

■首相のリーダーシップに期待
安倍政権誕生後、約2年が経過しましたが、国内景気に足踏み感が見られるなど、アベノミクスの効果はまだ充分には実感されていません。規制緩和は、金融緩和や公共投資などのような即効性はありませんが、中長期的な経済のテコ入れ策として有効と見られ、今後の安倍首相のリーダーシップに期待したいところです。

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