法人企業統計(日本)【キーワード】
2014年9月2日
<今日のキーワード>
財務省が発表する、国内企業約2万3,000社(うち金融・保険業以外は約1万9,000社)の財務諸表を集計した統計です。四半期毎に実施される「季報調査」と、年に一度実施される「年報調査」があります。この統計により、国内企業の売上高や経常利益の増減、バランスシート(貸借対照表)の現状、設備投資の金額などを把握することが出来ます。
【ポイント1】4-6月期の設備投資、売上高、経常利益は増加
ただし、伸び率はいずれも1-3月期を下回る
■1日、財務省は「2014年4-6月期の法人企業統計」を発表しました。これによると、全産業(金融・保険業除く)の設備投資は前年同期比+3.0%と5四半期連続で増加しましたが、伸び率は1-3月期の同+7.4%を下回りました。また、全産業(金融・保険業除く)の売上高は同+1.1%と4四半期連続の増加、経常利益は同+4.5%と10四半期連続の増加となりましたが、いずれも伸び率は1-3月期を下回りました。
【ポイント2】非製造業は順調に推移
製造業に足踏み感
■設備投資を業種別に見ると、製造業は前年同期比▲0.8%と3四半期ぶりにマイナスとなりました。食料品や電気機械、鉄鋼などが増加したものの、石油・石炭、情報通信機械、輸送用機械などが減少しました。一方、非製造業は同+5.0%と5四半期連続で増加しました。不動産業、卸売業、小売業、サービス業などが増加しました。
■経常利益を業種別に見ると、製造業は同▲7.6%と7四半期ぶりにマイナスとなりました。輸送用機械や化学、食料品などが減少しました。一方、非製造業は同+12.1%と5四半期連続で増加しました。サービス業や電気業、情報通信業などが増加しました。

【今後の展開】企業収益は緩やかに回復へ
■製造業は緩やかに持ち直す
4-6月期の製造業は減益となりましたが、7-9月期以降は緩やかな持ち直しが見込まれます。米国を中心に外需がけん引することに加え、内需も消費税増税の影響が和らぐと見られることが主な要因です。非製造業は雇用状況が堅調なことなどから、引き続き順調に推移すると思われます。
■外需や良好な雇用環境が下支え
7月の鉱工業生産指数や消費支出(2人以上の世帯)が市場の見通しを下回るなど、増税後の回復にやや遅れが見られます。ただし、有効求人倍率は20数年ぶりの高さにあることや、外需も緩やかながら回復に向かう見込みであることなどから、今後の企業収益は緩やかな回復が見込まれます。
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