ホームマーケット日々のマーケットレポート鉱工業生産指数(日本)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

鉱工業生産指数(日本)【キーワード】

2014年9月1日

<今日のキーワード>
乗用車などの輸送機械や一般機械、情報通信機械など鉱工業部門の生産動向を指数化したものです。経済産業省が毎月発表しています。生産活動の全体的な推移を示す総合指数をはじめ、業種別や用途別(財別)などの指数が含まれます。企業の生産計画に基づく2カ月先の予測も公表されており、国内景気の動きを把握できる重要な指標として注目されています。

【ポイント1】7月は小幅ながら2カ月ぶりにプラス

基調判断は「生産は弱含みで推移」を据え置き
■8月29日に発表された7月の鉱工業生産指数は前月比+0.2%と2カ月ぶりにプラスとなりましたが、前月に公表された7月の予測値(同+2.5%)を下回りました。消費税増税の影響は和らぎつつあるものの、回復の度合いに力強さは見られませんでした。経済産業省は基調判断を「生産は弱含みで推移」で据え置きました。

【ポイント2】消費財の回復が遅れる

乗用車やパソコンが不振
■用途別では、企業の設備投資などに使われる「投資財」(前月比+2.1%)や機械類などの「生産財」(同+0.6%)がそれぞれ2カ月ぶりにプラスとなった一方、消費用の製品などの「消費財」は同▲3.1%と2カ月連続でマイナスとなりました。「消費財」では、乗用車などの「耐久消費財」が同▲4.1%、生活必需品などの「非耐久消費財」が同▲2.2%となっており、消費税増税の影響が残りました。

■業種別ではコンベヤや一般用蒸気タービンなどが寄与し、「はん用・生産用・業務用機械工業」が同+6.3%、軽油やジェット燃料などの生産増加で「石油・石炭工業」が同+3.1%となりました。一方、乗用車などの不振で「輸送機械工業」が同▲2.5%、パソコンなどの不振で「情報通信機械工業」が同▲6.9%となりました。

【今後の展開】消費の回復が今後の生産のカギを握る

■8月、9月は持ち直しの見通し
今後の生産動向の見通しを示す製造工業生産予測調査(企業の生産計画に基づく)を見ると、8月は同+1.3%、9月は同+3.5%と持ち直しが見込まれます。また、9月は「耐久消費財」などの回復が見込まれています。

■企業業績や雇用環境の改善の波及に期待
「投資財」がプラスに転じるなど設備投資関連は堅調に推移していると見られ、今後の生産回復は消費動向に左右されそうです。企業業績は回復基調にあり、雇用環境は改善していることなどから、今後は賃金が上昇し、消費が回復に向かうことに期待したいところです。

関連マーケットレポート