中小企業月次景況観測(日本)【キーワード】
2014年8月27日
<今日のキーワード>
商工組合中央金庫(商工中金)が毎月発表する中小企業の景況感の調査です。取引先企業から製造業450社、非製造業550社を選定し、「好転」、「不変」、「悪化」という形で景況判断の回答を得て、景況判断指数(当月と来月予測)を算出しています。同時に、売上高、販売・仕入れ価格、採算状況、資金繰り、製品在庫、生産設備、雇用状況の判断指数も発表しています。
【ポイント1】8月の景況判断指数は4カ月ぶりに低下
ただし、9月の予測指数は6カ月ぶりに50ポイントを上回る
■8月26日に発表された「8月の景況判断指数」は、前月比▲1.0ポイントの47.7ポイントと4カ月ぶりに低下しました。消費税増税の影響で4月に45.4ポイントと大幅に低下したあと回復基調となっていましたが、持ち直しに一服感が出ました。
■ただし、9月の予測指数は同+3.9ポイントの50.6ポイントと6カ月ぶりに、景況判断の好悪の境目である50ポイントを上回る見通しとなっており、先行きに対しては改善を見込んでいます。
【ポイント2】個別の事業項目は改善傾向
売上高は加速する見通し
■個別の事業項目を見ると、販売価格の上昇幅が拡大する一方、仕入価格の上昇幅が縮小し、採算状況は改善しました。また製品在庫の過剰感も薄れ、資金繰りの状況も改善傾向となり、個別の項目は改善しています。
■また、売上高の前年同月比を見ると、6月の+3.3%に対して、7月は+1.0%と伸びは鈍化しましたが、8月の実績見込みは+3.4%、9月の予測は+3.7%と伸びが加速する見通しです。7月の売上高の伸びが鈍化したことが、8月の景況感低下に影響したと思われます。

【今後の展開】消費税増税の影響を脱し、年後半の景気回復に期待
■個人消費の回復はやや遅れ
7月の売上高はスーパーが前年同月比▲2.1%、コンビニが同▲0.7%といずれも4カ月連続で減少するなど、消費税増税後の回復にはやや遅れが見られます。ただし、減少幅は縮小しており、今後の回復が期待されます。
■雇用環境改善の波及効果に期待
売上高の見通しには明るさが見えることから、8月の景況感の低下は一時的に留まると思われます。主要な経済指標に力強い回復感はまだ見られないものの、雇用環境は改善していることなどから、年後半の景気回復に期待したいところです。
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