ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,382】求人倍率が22年ぶり高水準!雇用は更なる改善へ(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,382】求人倍率が22年ぶり高水準!雇用は更なる改善へ(日本)

2014年7月31日

1.日本の雇用情勢を把握するには?

 総務省が毎月発表する「労働力調査」で把握することができます。なかでも注目される指標の一つに「完全失業率」があります。これは、労働力人口(15歳以上の就業者と完全失業者の合計)に占める完全失業者(求職活動中ですぐに就職が可能な者や求職活動の結果を待つ者)の割合を示したものです。
 また、厚生労働省が毎月発表する「一般職業紹介状況」のなかの「有効求人倍率」なども、注目される指標です。これは、公共の職業安定所(ハローワーク)における求職者1人に対し、企業から何件の求人があるか(新規学卒者除く、パートタイム含む)を示したものです。

2.最近の動向

 29日に発表された6月の「完全失業率」(季節調整値、以下、失業率)は前月比+0.2ポイントの3.7%と、5カ月ぶりに上昇しました。就業者数は前月比横ばいの6,359万人にとどまり、完全失業者数は同+11万人の244万人と増加したことが主因です。自発的失業者(自己都合による退職)が同+3万人、労働市場への新規参入による失業者が同+3万人などとなりました。雇用環境が改善していることで、より良い待遇や新たに収入を得たい人が求職活動をはじめ、労働市場の流動性が高まったことによって、失業率が上昇したと考えられます。
 一方、同日に発表された6月の「有効求人倍率」(季節調整値)は、前月比+0.01ポイントの1.10倍となりました。これは1992年6月以来、22年ぶりの高水準です。

3.今後の展開

 「一般職業紹介状況」のなかの「新規求人倍率」は労働市場の先行きを示す指標であり、6月は前月比+0.03ポイントの1.67倍と、今年2月と並び1992年5月以来の高水準となりました。6月は一時的に失業率が上昇しましたが、有効求人倍率、新規求人倍率ともに上昇しており、労働市場の改善は今後も続くと思われます。
 求人倍率が1倍を超えるということは求職者に対して求人数が上回ることを示しており、労働市場にはひっ迫感が見られます。こうした状況もあり、5月の所定内給与(厚生労働省が「毎月勤労統計」で発表)は2年2か月ぶりに前年同月比マイナスを脱しました。アベノミクスにより後押しされた賃上げや賞与の増加が、6月以降しっかりとした給与の増加傾向となっていくのか、消費増税後の景気を支える上でも注目されます。

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