ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,372】「展望レポート」中間評価、日銀は物価見通しを維持(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,372】「展望レポート」中間評価、日銀は物価見通しを維持(日本)

2014年7月16日

1.日銀の「展望レポート」とは?

 日銀が公表する、「経済・物価情勢の展望」のことです。日銀の正副総裁を含む9人の政策委員による経済・物価の見通しや金融政策の運営方針をまとめた報告書です。この報告書では、政策委員による「実質GDP成長率」や「消費者物価指数」の予想値の幅とその中央値が示されます。4月と10月の年2回公表されるほか、1月と7月には中間評価が公表されます。今回の中間評価は物価目標の達成や追加金融緩和策の有無を占ううえで注目されていました。

2.最近の動向

 14日~15日、日銀は金融政策決定会合を開催し、昨年4月に導入した「量的・質的金融緩和」の維持を決定しました。景気判断については、「基調的には緩やかな回復を続けている」との判断を据え置きましたが、2014年度の実質GDP成長率(中央値)については、4月に公表した「展望レポート」の前年度比+1.1%を同+1.0%へ小幅に下方修正しました。2015年度の見通しは据え置かれています。また、物価の見通し(同)については、2014年度は前年度比+1.3%、2015年度は同+1.9%と前回の見通しを据え置きました。

3.今後の展開

 日銀は、景気や物価はともに、概ね4月の「展望レポート」で示した見通しに沿って推移すると見込んでいます。しかし、消費税増税後の個人消費や鉱工業生産はやや力強さに欠け、復調が待たれるところです。
 円高是正が一巡することなどにより物価上昇率は夏場にやや低下すると見られていますが、日銀は2%の「物価安定の目標」の達成に改めて自信を示しています。市場では追加の金融緩和への期待が残っていますが、物価上昇率が+1%台を大きく割り込むなどの鈍化が見られない限り、当面の追加金融緩和の可能性は低いと見られます。

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