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【キーワード No.1,367】増税の影響が和らぐ6月の「街角景気」(日本)

2014年7月9日

1.「街角景気」とは?

 内閣府が毎月実施する「景気ウォッチャー調査」で把握できます。「街角景気調査」とも呼ばれるこの調査は、タクシー運転手、コンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

2.最近の動向

 6月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間6月25日~30日)は、「現状判断DI」が前月比+2.6ポイントの47.7ポイントと2カ月連続で上昇しました。雇用関連は一部で求人の増勢に一服感が見られたことなどから低下しましたが、家計動向、企業動向関連は消費税増税の影響が和らいだことなどから上昇しました。街角の声には、「消費税増税の影響はほぼ無くなり生活必需品も、酒や菓子などのし好品も、売行きが前年同月を上回る状況で推移している(北陸のスーパー)」、「ボーナスの支給額が全体的に上がっていることから、消費傾向が強まっている(北関東の通信会社)」といった声がある一方、「冷夏の影響で主力の衣料品が苦戦している(四国の百貨店)」、「原料価格、運送費、電力料金等のコストが大幅に上がってきている(東海の化学工業)」いった声もあり、天候不順や原油高などの悪影響が一部で見られました。

3.今後の展開

 2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は前月比▲0.5ポイントの53.3ポイントと小幅に低下しました。先行きの雇用関連が59.2ポイント(前月比+0.6ポイント)と50ポイントを大きく上回り、街角の声でも、「従来はパート社員で募集していたポジションについても、人材が集まらないため正社員採用に切替える企業がある(中国の民間職業紹介機関)」という声もあり、雇用の幅広い改善が鮮明になっています。
 原油高などの不安要因は残るものの、消費税増税後の需要減少から徐々に立ち直る様子がうかがわれます。夏場から賃金の増加も期待されることから、さらなる景気回復への好循環を期待したいところです。

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