ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,364】政府は輝く「なでしこ」の拡大を推進(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,364】政府は輝く「なでしこ」の拡大を推進(日本)

2014年7月4日

1.政府の「なでしこ」拡大の方針を知るには?

 政府は、全ての個人がその能力・個性を十分発揮できる社会である「男女共同参画社会」を作るため、「男女共同参画基本計画(5年毎、現在は2010年閣議決定の第3次)」を定めています。具体的には、公務員の登用における女性の割合向上などが目標に掲げられています。さらに政府は、国家公務員の採用においてこの基本方針の達成などを目標とする「採用昇任等基本方針」を定めています。

2.最近の動向

 6月24日、政府は今年の「採用昇任等基本方針」を閣議決定しました。今回は、来年度末に迫る「第3次男女共同参画基本計画」の目標達成のため、女性職員の採用を積極的に拡大するとしています。具体的にはまだ27.6%(2013年4月1日現在)にとどまる「採用試験からの採用者に占める女性割合」を2015年度末に30%程度に高めるほか、「本省課室長相当職以上に占める女性割合」を5%程度、「指定職に占める女性割合」を3%程度と、決して高い比率ではないものの、それぞれの水準まで引き上げるとしています。また具体策として、育児短時間勤務やテレワークなどの柔軟な働き方の推進や、仕事と家庭の両立支援制度を利用しやすい環境の整備などが挙げられています。
 さらにこのために、内閣人事局長と全府省の事務次官級で構成する「女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会」が設置されます。

3.今後の展開

 今後は女性や若手職員、民間企業や有識者からのヒヤリングなどが行われ、12月頃に来年度末までの目標や中期的な取り組みを盛り込んだ「女性職員活躍とワークライフバランス推進に向けた取組計画」が各府省にて策定・公表される予定です。
 政府の外に目を向けてみると、先日ピークを迎えた今年の株主総会では、社外取締役を設置する企業が東証1部上場企業の74%に上り、なかでも女性の社外取締役は昨年の1.5倍程度に急増しました。また海外では、大統領や首相など公的機関の要職から民間企業のトップまで幅広く女性の活躍が見られているほか、APECでは2011年以降毎年「女性と経済フォーラム」が開催され、女性の力を経済・社会に生かそうという取り組みが進められています。既に日本の先を行く国際的な女性登用拡大の動きに対し、仕事や社会で輝く「なでしこ」の拡大に向けた一層の取り組みが期待されます。

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