ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,362】「日銀短観」は幅広い業況改善を示唆(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,362】「日銀短観」は幅広い業況改善を示唆(日本)

2014年7月2日

1.日銀短観とは?

 日銀が3カ月ごとに約1万社の企業に行う「全国企業短期経済観測調査」のことです。市場では「大企業・製造業の景況感(業況判断DI)」や「大企業・製造業の3カ月先の景況感(先行きDI)」などが注目されます。2014年6月調査の調査期間は5月28日~6月30日でした。

2.最近の動向

 1日に発表された6月調査分の「日銀短観」では、大企業・製造業の「業況判断DI」(最近)は+12(前期比▲5ポイント)と6四半期ぶりの悪化となりましたが、4四半期連続で2桁のプラスを維持しており、底堅い業況を示しました。「先行きDI」(先行き)は+15と最近から+3ポイントの改善となりました。16業種中12業種の先行きが最近から改善しており、幅広い業況の改善が示唆されています。また、非製造業(全規模)は最近が+8(前期比▲6ポイント)、先行きが+6と最近から▲2ポイント悪化する見通しですが、3月調査では先行きが▲13ポイント悪化すると見られていたことと比較して、マイナス幅は大きく縮小しました。増税の影響は短期に一巡し、先行きについては慎重ながらも底堅い業況を示唆しています。
 同時に発表された2014年度の設備投資額(除く土地投資額)は3月調査の前年度比▲0.7%から同+4.7%へ上方修正されました。製造業が前回の同+2.1%から同+11.7%へ、非製造業が同▲2.1%から同+1.2%へと、製造業の上方修正が大きく寄与しました。

3.今後の展開

 中堅企業(全産業)の最近は+9、先行きが+8と最近から▲1ポイント、中小企業(同)の先行きは+2と最近から横ばいとなりました。中堅、中小企業は慎重な見方が残っているものの、24日に発表された日本再興戦略(アベノミクスの新成長戦略)では、法人税減税や、ベンチャー企業の支援、外国人や女性の人材活用など、中堅、中小企業を後押しする政策も多く盛り込まれました。大企業だけではなく、中堅や中小企業の底上げも期待されることから、更なる景況感の改善が期待されます。

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