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【キーワード No.1,359】アベノミクスを評価?「外国人保有」が大幅増(日本)

2014年6月27日

1.株式の保有状況を知るには

 個人や外国人などの株式保有状況を知るには、東京、名古屋、福岡、札幌の4証券取引所が毎年6月頃に公表する「株式分布状況調査」で把握できます。投資部門別の差引き売買代金も公表されています。4証券取引所に上場している3,541社のうち、上場後の株主を把握できない16社を除いた3,525社が対象です。

2.最近の動向

 東京証券取引所などが19日に発表した「株式分布状況調査」によると、今年3月末の日本株保有に占める「外国法人等」の割合(金額ベース)は前年度比+2.8ポイント上昇し、30.8%となりました。比較可能な1970年度以降、初めて「金融機関」を抜き、日本の上場企業全体の筆頭株主となりました。「外国法人等」差引き売買代金は9兆5,387億円と5年連続で買い越しとなりました。
 一方、「金融機関」は持ち合いの解消などにより1989年3月末の44.1%をピークに低下傾向が続き、今年3月末は26.7%(同▲1.3ポイント)と過去最低を更新しました。「個人・その他」も18.7%(同▲1.5ポイント)と低下し、6年ぶりに20%台を割り込みました。

3.今後の展開

 1990年頃から金融機関が持ち合い解消を進めてきたことなどもあり、「外国法人等の保有比率」は上昇傾向が続いていきましたが、2013年度はさらに加速しました。昨年6月の「日本再興戦略」(アベノミクス第3の矢)を機に日本の今後の経済成長への期待が高まったことも一因と思われます。日本人の目から見れば、90年代以降、長らくデフレに苦しみ、成長への期待感が高まらないなか、外国人の目からみれば、日本は先進国の中でも今後の成長に対する魅力が高い国に映ったのかもしれません。
 24日には「日本再興戦略」の改訂が閣議決定されました。法人実効税率の引き下げや女性の活躍促進、農業改革など前回より具体策が盛り込まれました。「筆頭株主」がさらに保有を増やすかどうかは「日本再興戦略」の実効性にかかっていると思われます。

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