【キーワード No.1,353】5月の「百貨店売上高」、反動減は緩やか(日本)
2014年6月19日
1.百貨店売上高を把握するには
日本百貨店協会が毎月発表する「全国百貨店売上高」で把握することができます。2014年5月の調査対象は84社・241店舗でした。発表内容には、売上高のほか、土日祝日の合計日数、入店客数などがあります。
2.最近の動向
18日に発表された5月の「全国百貨店売上高」は、前年同月比▲4.2%(店舗数調整後、以下同じ)の4,618億円となりました。2カ月連続のマイナスとなりましが減少率は4月の同▲12.0%から大きく改善しました。増税対策で各店が新商品の投入や販促催事を強化したことや天候に恵まれたことなどが要因です。
商品別では、美術品・宝飾・貴金属(同▲23.2%)や家具(同▲15.6%)など高額品では、駆け込み需要の反動減の影響がまだ残るものの、クールビズ需要で紳士服(同▲1.4%)が小幅なマイナスにとどまり、まとめ買いのあった化粧品(同▲6.5%)などが大きく改善しました。また、食料品は同▲0.7%と駆け込み需要の反動が小さくなりました。

3.今後の展開
前回の増税があった1997年4月前後を見ると、3月は前年同月比+23.0%、4月は同▲14.0%、5月は同▲5.1%でした。今回は3月が同+25.4%、4月が同▲12.0%、5月が同▲4.2%となっており、増税後のマイナスは前回より緩やかとなりました。今回の増税前後の3月から5月までの3カ月間の売上高を見ると、前年同期比+3.6%(店舗数調整前)と底堅く伸びています。
失業率の低下などに見られるように雇用情勢は改善傾向にあり、また夏のボーナスも前年に比べ増加する企業が多いことなどから、増税の影響は短期間で収束し、消費の堅調さを取り戻すことが期待されます。