【キーワード No.1,346】5月の「街角景気」は現状、先行きともに改善(日本)
2014年6月10日
1.「街角景気」とは?
内閣府が毎月実施する「景気ウォッチャー調査」で把握できます。「街角景気調査」とも呼ばれるこの調査は、タクシー運転手、コンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。
2.最近の動向
5月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間5月25日~31日)は、「現状判断指数」が前月比+3.5ポイントの45.1ポイントと2カ月ぶりに上昇しました。小売関連、サービス関連は2カ月ぶりに上昇しましたが、飲食関連は2カ月連続、住宅関連は3カ月連続で低下しており、消費税増税の駆け込み需要の反動減の影響は一部で和らぎつつあるものの続いていると見られます。街角の声には、「生鮮食品や日配品については増税前の状態に戻っている(北陸のスーパー)」といった声がある一方、「消費を抑える動きがゴールデンウィーク後に顕著になった(中国地方のレストラン)」、「高額品については何軒も店を回ってから来る(南関東の商店街)」といった声もあり、増税後の価格上昇に対して、消費者はやや敏感になっている状況も見られます。

3.今後の展開
2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断指数」は前月比+3.5ポイントの53.8ポイントと、2カ月連続で上昇しました。家計動向、企業動向、雇用関連の全ての分野が上昇しており、先行きについては、前向きな見方が多くなっていると見られます。特に小売関連で、家電量販店が同+17.5ポイントの66.2ポイント、乗用車・自動車備品販売店が同+8.2ポイントの56.5ポイントと比較的大きく改善しており、駆け込み需要の反動減が大きかった分野で先行きへの期待が大きくなっています。また、「ボーナス商戦に向けて、4Kテレビや高機能エアコンなどに客の注目が高まっている(南関東の家電量販店)」といった声も聞かれ、夏のボーナス商戦への高い期待もうかがえます。
失業率の低下などに見られるように雇用情勢は改善傾向にあり、夏のボーナスも前年に比べ増加する企業が多いことなどから、増税の影響が短期間で収束し、消費の堅調さを取り戻すことが期待されます。