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【キーワード No.1,342】「法人企業統計」、製造業の設備投資が加速(日本)

2014年6月4日

1.「法人企業統計」とは?

 財務省が発表する、国内企業約2万2,000社(うち金融・保険業以外は約1万9,000社)の財務諸表を集計した統計です。四半期毎に実施される「季報調査」と、年に一度実施される「年報調査」があります。売上高や経常利益、設備投資の動向が特に注目されます。

2.最近の動向

 2日、財務省は「2014年1-3月期の法人企業統計」を発表しました。これによると、全産業(金融・保険業除く)の設備投資は前年同期比+7.4%と、10-12月期の同+4.0%を大きく上回りました。製造業が同+6.8%と前期の同+0.7%から伸びが加速したことが主因です。製造業は2012年10-12月期以来、4四半期マイナスが続いていましたが、これで2四半期連続のプラスとなりました。自動車を含む輸送用機械や食料品、生産用機械などが2桁の伸びとなりました。また、非製造業も同+7.7%と4四半期連続の増加と堅調が続いています。
 収益が増加基調にあることから、企業は投資に対して前向きになってきたとの見方があります。

3.今後の展開

 製造業の2014年1-3月期の経常利益は前年同月比+5.4%と伸びは鈍化したものの、2012年10-12月期以降、6四半期連続で増加となりました。2013年4-6月期までの3四半期は、売上高は減収ながら、円高是正の効果やコスト削減などにより増益を確保していましたが、2013年7-9月期以降は売上高の増加を伴い増益となりました。また、全体の約7割を占める非製造業の2014年1-3月期の経常利益は同+28.2%と伸びが加速し、売上高も同+5.6%と4四半期連続で増加しました。
 景気は消費税増税による振れを伴いつつも緩やかな回復の方向にあると見られます。企業収益は円高是正の効果が一巡するものの、国内外の景気回復により、底堅く推移する見通しです。また設備投資は、企業収益と企業マインドが回復するにつれ増加傾向を維持すると見られ、そうした状況を腰折れさせないためにも、強力な金融緩和策の維持や法人税率引き下げなどの成長戦略の具体化が期待されます。

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