ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,340】「NISA」は順調に拡大、稼働率の上昇に期待(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,340】「NISA」は順調に拡大、稼働率の上昇に期待(日本)

2014年6月2日

1.「NISA」とは?

 「少額投資非課税制度」の愛称です。英国の個人貯蓄口座「ISA(Individual Savings Account)」を参考として、日本版ISAから「NISA」と呼ばれています。①日本に住む満20歳以上の人が、②一人1口座開設でき、③毎年新規投資額で上限100万円まで、④最長5年間(口座開設は2014年~2023年の10年間)、投資ができます。NISA口座では、上場株式や公募投資信託(投信)、上場ETFやREITなどの金融商品への投資で得た分配金や譲渡益が非課税となります。

2.最近の動向

 5月28日、日本証券業協会(日証協)は「証券会社のNISA口座の開設・利用状況(2014年3月31日現在)」を発表しました。これによると、NISAを取り扱う証券会社129社で、前回調査(2014年1月1日)から約101万口座が新たに開設され、総口座数は約421万口座となりました。また、NISA口座で買い付けられた上場株式や投信の総額は約6,080億円となり、このうち上場株式は60.0%、投信は37.1%とこの2つで約90%を占めています。
 さらに主要証券会社10社に限った調査では、NISA総口座数のうち、実際に買い付けがあった口座は全体の22.8%にとどまり、1口座当たりの平均買付額は約60万7,000円でした。

3.今後の展開

 口座開設者を年代別にみると、60歳以上が過半を占めています。そのほかは、50歳代が16.0%、40歳代が12.3%、30歳代が7.8%、20歳代が2.7%と、年代が若くなるにつれて全体に占める割合が低下しています。また投資経験別にみると、60歳以上では90%以上が投資経験者ですが、30歳代では72.0%、20歳代では56.8%にとどまり、「NISA」をきっかけに投資を始めたという人も多そうです。今後は、投資未経験者や若年層の投資を呼び込むことが「NISA」の課題の一つといえます。前回調査からの増加口座数約101万件のうち、20歳代~50歳代が約52万件と半数を占めました。制度開始以降も、投資未経験者に「NISA」への関心が広まっていることがうかがえます。また、口座開設後、未だ買い付けのない口座も多く、今後は口座の実稼働も課題となりそうです。「NISA」は現状では2023年まで口座開設ができます。日証協は制度の恒久化を目標としており、今後さらに広く知れ渡り、投資家層の拡大に貢献することが期待されます。

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