ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,318】4月の「東京都区部CPI」、増税分の転嫁は見込み通り(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,318】4月の「東京都区部CPI」、増税分の転嫁は見込み通り(日本)

2014年4月28日

1.消費者物価指数(CPI)とは?

 一般の消費者が購入する物やサービスの価格が、どの程度変動しているかを指数で表したものです。世界各国で、この「消費者物価指数(CPI)」は主要統計として発表されており、物価動向や経済状況を見る上で重要な指標として注目されています。日本では総務省が26日を含む週の金曜日に全国の前月分確定値と、東京都区部の当月の中旬の速報値を公表しています。

2.最近の動向

 25日に発表された4月の「東京都区部のCPI」(生鮮食品を除く、以下コアCPI)は前年同月比+2.7%と前月の同+1.0%から大幅に上昇しました。前月からの上昇幅は日銀が試算していた消費税増税の影響(1.7ポイント)とほぼ同じになりました。
 費目別を見ると、生鮮食品を除く食料や被服及び履物は増税分が概ね価格転嫁されたと見られます。一方、寝具類や家事用消耗品、下着類など一部の商品では、前年同月比の増加率が増税分以上となっており、便乗値上げと思わせるものも見受けられました。しかし全体では便乗値上げは限定的にとどまり増税分は概ね転嫁され、物価の基調は3月と変わらないと見られます。

3.今後の展開

 CPI発表に先立ち経済産業省から公表された消費税の転嫁状況に関する月次モニタリング(調査時期は4月11日~17日)で「消費税増税が全て転嫁できている」と答えた企業の割合は79.4%となりました。また消費者庁が公表した物価モニター調査(同4月4日~8日)においては、全品目(40品目)の消費税増税を除く価格の変化率は前回調査(3月7日~11日)比で+0.1%となり、便乗値上げや、増税分の企業負担の増加による収益悪化の懸念は、ひとまず遠のいたと思われます。
 日銀は消費税増税の影響を除く物価上昇率を2014年度は前年度比+1.3%(中心値)、2015年度は同+1.9%(同)と見通しています。足元の物価上昇率は日銀の想定並みに推移していますが、今後、消費税増税負担による個人消費の減速の可能性や国内景気の足踏み懸念などもあることから、日銀に対する追加の金融緩和策への市場の期待感は続くと見られます。

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