ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,298】2月の消費は駆け込み需要が本格化(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,298】2月の消費は駆け込み需要が本格化(日本)

2014年3月31日

1.「消費動向」を把握するには?

 全体的なモノの消費動向を把握できる代表的な指標として、経済産業省が毎月発表する「商業動態統計調査」が挙げられます。大きく「卸売業」と「小売業」に分けられ、特に「小売業」の動向が注目されます。

2.最近の動向

 28日に発表された2月の商業動態統計調査によると、商業販売額は前年同月比+2.8%の37兆7,580億円と、10カ月連続で増加しました。このうち「小売業」は同+3.6%の10兆9,130億円と、2月としては比較可能な1980年以降で過去3番目に大きな規模となりました。
 業種別に見ると、8業種全てにおいて増加し、なかでも自動車は同+14.9%、機械器具は同+11.2%となり全体をけん引しました。自動車や家電製品などの高額商品の好調な販売が後押した形です。
 業態別にみると、百貨店(比較可能な既存店ベース)は同+2.9%、スーパー(同)は同+0.5%、コンビニ(同)は同+0.9%と、全ての業態において増加しました。なかでも百貨店では、全国主要10都市を中心に売上高の増勢が続いています。2月は上旬から中旬にかけて関東地方を中心に大雪に見舞われ、月間では例年に比べ入店客数が減少しました。しかし中旬以降は回復し、バレンタインデーの売上げが前年よりも活況となった他、高級時計や宝飾品などの高額商品の売上げも前年比2割超の増加となる好調さが続き、全体をけん引しました。

3.今後の展開

 1997年以来17年ぶりの消費税率引き上げを明日に控え、2月の統計には駆け込み需要の本格化が見られました。高額商品に対しては3%の税率引き上げの影響は大きく、早めに駆け込み需要が表れたようです。一方、食品など賞味・消費期限が短いものなどは増税直前の3月分に、それまでより大きな需要効果が表れると考えられます。スーパーをはじめとする小売店の広告には、様々な商品に対する「まとめ買い」、「買いだめ」といった見出しが目立ち、飲料など重量があるものやかさばる物などはネットスーパーなどによる配達の勧めも多く見られ、需要を後押ししています。また今回の増税局面は、景気回復を背景に賃上げを実施する企業も大幅に増加するなど、17年前の増税時とは景況感が異なります。買いだめした分の駆け込み需要の反動は予想されますが、消費は一時的な落ち込みにとどまり、再び回復基調となることが期待されます。

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