【キーワード No.1,280】「法人企業統計」は設備投資が3四半期連続増(日本)
2014年3月4日
1.「法人企業統計」とは?
財務省が発表する、国内企業約2万3,000社(うち金融・保険業以外は約1万9,000社)の財務諸表を集計した統計です。四半期毎に実施される「季報調査」と、年に一度実施される「年報調査」があります。売上高や経常利益、設備投資の動向が特に注目されます。
2.最近の動向
3日、財務省は「2013年10-12月期の法人企業統計」(金融・保険業除く)を発表しました。これによると、GDP統計算出の基礎となる全産業(ソフトウェアを除く)の設備投資は前年同期比+2.8%と、7-9月期の同+2.3%を上回り、3四半期連続の増加となりました。
内訳(ソフトウェア含む)を見ると、製造業は同+0.7%と5四半期ぶりの増加となりました。鉄鋼(同▲25.2%)、生産用機械(同▲25.2%)は減少した一方、はん用機械(同+36.3%)、金属製品(同+19.8%)は増加しました。
また、非製造業は同+5.7%と全体をけん引しました。卸売業・小売業(同▲6.4%)は減少しましたが、その他全ての業種で増加しました。
規模別に見ると、資本金1,000万円~1億円では同+10.8%、1億円~10億円では同+8.3%と増加しましたが、10億円以上では同▲0.1%と、規模が大きいほど設備投資の伸びは鈍化した格好です。
3.今後の展開
このほか、売上高は同+3.8%の333兆429億円と2四半期連続の増加となりました。また、経常利益は同+26.6%の16兆1,908億円と3四半期連続で+20%台半ばの増益となりました。特に製造業では、3四半期連続で+50%前後の増益となり、全体をけん引しました。企業業績は好調が続いており、日本経済の回復が続けば、今後も企業や消費者の心理が一層改善することが期待されます。
今回の「法人企業統計」の結果を受けて、来週10日には2013年10-12月期のGDP成長率の改定値が発表されます。「法人企業統計」の設備投資は季節調整済みでは前期比▲0.3%と減少していることなどから、GDPの改定値では設備投資の下方修正が予想されますが、全体のGDP成長率は1次速報値(季節調整済、前期比年率+1.0%)からあまり大きくは変わらない見込みです。