ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,277】駆け込み需要で中小企業景況感は高水準維持(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,277】駆け込み需要で中小企業景況感は高水準維持(日本)

2014年2月27日

1.中小企業の景況感を知るには?

 商工組合中央金庫(商工中金)が「中小企業月次景況観測」を毎月発表しています。商工中金の取引先企業から製造業450社、非製造業550社を選定し、「好転」、「不変」、「悪化」という形で景況判断の回答を得て、それぞれの割合に基づき、景況判断指数(当月と来月予測)を算出しています。同時に、売上高、販売・仕入価格、採算状況、資金繰り、製品在庫、生産設備、雇用状況の判断指数も発表しています。

2.最近の動向

 2月25日に発表された「2月の景況判断指数」は、前月比▲0.7ポイントの50.6ポイントでした。景況判断の好悪の境目である50ポイントを超えたのはこれで5カ月連続です。2月は大雪の影響もあり、飲食店・宿泊の景況感が前月比▲12ポイント、トラック運送が同▲4ポイントで、いずれも5カ月ぶりに50ポイントを割り込みました。その他の業種では、電気機械、輸送用機器が堅調でしたが、小売は横ばいなど、動きにバラつきがみられました。同時に発表された「3月の予測指数」は53.3ポイントと、駆け込み需要への期待から、景況感はさらに改善すると見込まれています。生産一巡から電気機械、輸送用機械、木材・木製品など、製造業の一部は2月から低下するものの、非製造業はほとんどの業種で上昇し、50ポイントを超えると予測されています。

3.今後の展開

 4月の消費税増税後は、駆け込み需要からの反動減もさることながら、反動減が一巡した後に緩やかなプラス成長を回復するかどうかに注目が集まっています。1997年4月に消費税率を3%から5%に引き上げた際には、アジア通貨危機や大型金融破たんが重なり、厳しい景気後退に陥ってしまった苦い経験があります。増税はいかなる景気局面においても景気を押し下げる効果があり、外的なショックに対する耐性が落ちることは否めません。しかし今回は、財政出動を積み増したのに加え、ショックに弱い中小企業への対策としては、日銀が貸出増加支援資金供給等を延長・拡充し、政府は平成26年度税制改正の大綱で設備投資減税の強化を掲げ、万全の態勢で臨む姿勢を示しています。

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