ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,267】2014年は「エルニーニョ」再来?(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,267】2014年は「エルニーニョ」再来?(日本)

2014年2月13日

1.エルニーニョ現象とは?

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道付近の日付変更線の辺りから南米のペルー沿岸にかけて、海面水温が高くなり、その状態が1年程度続く現象です。大気の流れを乱し、偏西風の蛇行などに伴う異常気象が発生しやすくなる要因として知られます。一般に日本では、冷夏や暖冬を招く要因となります。
 また、同海域の海面水温の低下に伴い、この逆の結果が発生することはラニーニャ現象と呼びます。

2.最近の動向

 日本の気象庁や、世界気象機関、オーストラリア気象庁など、世界の気象当局は、2014年の半ば頃からエルニーニョ現象が発生する可能性を指摘し始めました。
 エルニーニョ現象は、ラニーニャ現象と交互に発生する例が多くあります。従来から2014年における上記海域の水温は、「平常」と「エルニーニョ」発生の境目付近と見られていました。
 日本の気象庁は、今夏には「平常」と「エルニーニョ発生」の可能性が同程度、世界気象機関も「2014年半ばに弱いエルニーニョ現象の発生する可能性」は「五分五分」と見ています。
 仮に同現象が夏に発生した場合、太平洋高気圧の張り出しが例年ほどとならず、梅雨明けの遅れや気温上昇の抑制、日照時間の短期化なども想定されます。

3.今後の展開

 例年3~5月には観測の精度が低下する時期となることもあり、目先では2月の観測結果を踏まえた3月中旬の当局発表に注目が集まります。また、仮に春先の観測で可能性が一段と高まるようであれば、過去に豪雨の被害を受けた地域などでは、早い段階でのインフラ再点検など、防災対策も望まれます。
 一般に、冷夏は景気の抑制要因と受け取られがちです。しかし、今回のエルニーニョの程度は現時点で、「弱め」と見られます。また、近年は猛暑が長引いて体力が低下し、夏のピークに消費が活発にならなかった例も少なくありません。元気なシニア層も消費の担い手となってきたことを踏まえれば、悪条件とは言い切れないとの見方も出来ます。雨天時の対応など、備えが万全ならば良い結果もありそうです。
 なお、2014年は春に消費税増税で消費意欲がやや落ち込む可能性があるものの、夏はボーナスなどで多くの労働者が賃金上昇傾向を実感できるものと思われます。こうした盛り上がりを天候要因で逃さないよう、続報に注意しながら、企業、消費者ともにしっかりと2014年夏の対策、予定を練りたいものです。

関連マーケットレポート