ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,241】宅森チーフエコノミストに聞く!「2014年の日本経済の展望」(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,241】宅森チーフエコノミストに聞く!「2014年の日本経済の展望」(日本)

2014年1月6日

1.宅森理事・チーフエコノミストの略歴

 宅森昭吉(たくもりあきよし)。三井住友アセットマネジメント(以下弊社)理事・チーフエコノミスト。1957年東京生まれ。三井銀行(現三井住友銀行)入行後、同行調査部、市場営業部などを経て、2002年弊社チーフエコノミストとなり、2012年4月より現職。著書に「ジンクスで読む日本経済」など。

2.最近の動向

 景気は2012年11月を谷とした、拡張局面にあります。日銀短観をみると、大企業・製造業の業況判断DIはリーマンショック後の最高を更新しました。また12月調査では大企業から中小企業まで景気回復が裾野まで広がってきていることが確認できる内容でした。
 身近なデータで見てみると、株高や円安効果で美術・宝飾・貴金属の売上げが高水準となり、百貨店では外国人観光客による売上高は前年比倍増の傾向にあります。
 また、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」はドラマ・アカデミー賞最優秀作品賞を受賞し、ドラマのセリフ「じぇじぇじぇ」は流行語大賞のひとつに選ばれました。さらに、プロ野球では東北楽天ゴールデンイーグルスが初の日本一となったほか、B-1グランプリでは「なみえ焼きそば」が優勝しました。このように今年は岩手、宮城、福島の被災3県が揃って賞を受賞し、復興の大切さを改めて感じさせるきっかけとなり、日本全体にも元気を与えました。

3.今後の展開

 目先は、賃金・設備投資動向が春からの消費税増税の影響をどれだけ相殺するかが注目されます。ESPフォーキャスト調査の12月特別調査では2014年度の所定内給与の平均予測は前年度比+0.3%となり、設備投資の先行指標である受注統計には改善の動きがあるなど、明るい材料が多くなっています。
 NHK大河ドラマと放送時の景気には関係性が見られます。2013年「八重の桜」では強い女性が主人公でしたが、これが不振だったことは景気にはプラスでした。一方、過去の放送において、天下平定に向け群雄割拠していた戦国時代を描いた年は視聴率も良く、景気も良かったことから、2014年「軍師官兵衛」には期待したいと思います。2014年は6、7月にサッカーのW杯があります。日本代表が活躍し、消費税増税により一時的に落ち込む景気の持ち直し材料となることにも期待したいところです。
 変動相場制移行後では、午年(1978年、1990年、2002年)は全て円高でした。しかし、2014年は米国でQE3の縮小が始まり、日本の大規模な金融緩和との間に差が見られることから、初の円安の午年となりそうです。