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「資源価格」と世界経済(グローバル)【キーワード】

2015年3月24日

<今日のキーワード>
足元では原油や鉄鉱石などの「資源価格」にやや不安定な動きがみられます。この先、価格の下落が進行した場合、投資家心理の冷え込みを通じて世界経済や金融市場に悪影響を及ぼすとの懸念が強まる可能性があります。ただ資源価格の下落は必ずしも経済や市場に大きな混乱を引き起こすとは限らず、過度に悲観することはないと思われます。

【ポイント1】原油価格の下落と米国経済

経済や市場への影響は限定的
■原油価格の代表的な指標であるWTI原油先物価格は、2014年6月20日の取引時間中につけた高値1バレル=107ドル73セントから2015年3月18日の安値42ドル03セントまで61%下落しました。

■米国では同期間におけるダウ工業株30種平均が終値ベースで6.7%上昇し、2014年通年の実質GDP成長率は前年比+2.4%と昨年の同+2.2%から伸びが拡大しました。原油安で石油会社の業績は大幅に悪化しましたが、米国全体でみれば経済や市場への影響は限定的と思われます。

【ポイント2】鉄鉱石価格の下落と豪州経済

同じく経済や市場への影響は限定的
■鉄鉱石(中国天津港渡しの鉄含有量62%)価格は2014年1月3日から2015年3月20日まで59.6%下落しました。

■オーストラリアでは同期間における豪ドルの為替レートは対米ドルで13.1%下落しましたが、代表的な株価指数であるS&P/ASX200指数は11.7%上昇し、2014年通年の実質GDP成長率は前年比+2.5%と昨年と同じ伸び率でした。オーストラリアでも、全体としてみれば経済や市場への影響は限定的でした。

【今後の展開】資源価格の動向に引き続き注意は必要だが過度な悲観は不要

■下落に転じた場合はその速度に注意
引き続き資源価格の動きと、それが各国経済や金融市場に与える影響を見極めることは重要と考えます。なお価格が下落に転じた場合、下げの速度には特に注意が必要です。あまりに速すぎると投資家の不安感が増幅し、一時的に金融市場が混乱する恐れもあります。

■それでも過度な悲観は不要
ただし過度な悲観は必要ないと思われます。実際に米国やオーストラリアの例をみても、原油や鉄鉱石の価格下落は、資源を生産する企業の業績や投資活動にはマイナスですが、国全体では影響が抑制され、直ちに世界経済や金融市場の動揺につながる可能性は低いと考えます。

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