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「銅価格」の下落(グローバル)【キーワード】

2015年1月20日

<今日のキーワード>
銅の取引価格はロンドン金属取引所(LME)の取引価格などが主な指標となります。銅は建設や電線、輸送用機器などに用いられ、価格は景気動向に敏感に反応する傾向があります。世界の需要の約4割を占める中国を中心とした世界経済の動向に加え、最近では原油価格が下落することで、生産コストの低下や需要の下振れが意識され、銅の価格が原油価格と連動する傾向も見られます。

【ポイント1】銅需要に下振れ懸念

2009年8月以来の安値
■銅の価格は、足元で下落スピードを速めています。1月16日のLME現物価格は1トン当たり5,768米ドルとなり、2009年8月以来の安値にあります。最近の中国の製造業購買担当者景況感指数(PMI)が軟調に推移している中、1月13日に世界銀行が世界経済見通しを下方修正したことから、銅の需要が下振れる懸念が高まったことが背景と見られます。

【ポイント2】石炭・鉄鉱石も軟調

原油価格の下落につれる
■石炭や鉄鉱石価格も下落基調にあります。銅と同様に消費量の多い中国や世界経済の減速懸念などが背景です。需給要因に加えて、原油価格の下落により生産コストの低下や需要の下振れが意識されたことも要因と見られます。

■昨年11月27日に石油輸出機構(OPEC)による減産が見送られ、価格下落が加速しました。一方、足元では国際エネルギー機関(IEA)が非OPECの生産見通しを下方修正したことから、需給の改善期待が高まり原油価格はやや反発しています。

【今後の展開】世界経済の回復などにより銅や資源価格は安定化の見込み

■需給の改善により銅の価格は安定化の見込み
中国の製造業PMIがやや軟調に推移する一方、中国の昨年後半の電線生産量が堅調に推移していることから、銅の需要は同PMIが示すほど弱くはないとの見方もあります。また、主要生産地で銅の減産が決定されていることや世界経済の回復により需給の改善が見込まれることから、銅の価格は安定化へ向かうと見られます。

■世界経済の回復により資源価格は安定化へ
原油価格の下落傾向が続いた場合には、需要の下振れなどが意識され、銅、石炭、鉄鉱石など資源価格は当面上値が重い展開となりそうです。一方、世界経済の緩やかな回復が見込まれることから、資源価格は次第に安定へ向かうと見られます。中国で景気刺激策の効果が徐々に現れる見込みであることは価格の下支え要因と見られます。

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