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2014年を振り返るキーワード  「長期国債利回りの低下」(グローバル)【キーワード】

2014年12月29日

<今日のキーワード>
2014年は、日本、米国、欧州の長期国債利回りがともに低下しました。各国の国債が買われ、利回りが低下した要因として、日銀による国債購入策の強化、南欧諸国の財政不安の後退、米国債の相対的な高利回りへの注目などがありました。

【ポイント1】2014年初から概ね低下基調で推移

日本、欧州は、金融緩和の強化が背景
■日本では、日銀の長期国債購入策の強化もあり長期国債利回りが低下しました。欧州では、財政不安の後退からイタリアなど南欧諸国の国債に買い安心感が広まり、利回りが低下しました。また、物価上昇率の低下や景気の減速懸念を受け欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を強化したこともあり、利回りは過去最低水準となりました。

■欧州や新興国の景気減速懸念に加え原油価格の下落によりリスク回避の動きが強まったことから、安全資産の国債が買われたことも要因となりました。米国の物価上昇率が高まらないこともあり、先進国の長期国債利回りは全般的に低下基調が続いています。

【ポイント2】QEの縮小・終了でも米国債利回りは低下

日本、欧州の低金利が影響
■米国の景気は回復基調を辿り、量的金融緩和(QE)は終了に至りました。これにより長期国債利回りは上昇するとの見方が一般的でしたが、米国債利回りはQE縮小前に比べて低下しました。日本、欧州の国債利回りが低下したことにより米国債利回りの相対的な高さに注目が集まり、米国債が買われたためと思われます。

【今後の展開】主要国の国債利回りは当面低水準で推移する見込み

■日本、欧州では金融緩和拡充も
ECBは、来年前半に国債の購入を含む量的緩和の強化に踏み切るとの見方が強まっています。日本でも物価上昇圧力の低下から日銀の強力な金融緩和が続くと見られます。このため、日本と欧州の長期国債利回りは当面低水準で推移すると見られます。

■米国の利上げが注目
米国でも、原油安による物価上昇圧力の低下や、世界経済の不透明感から、長期国債利回りは当面上昇しにくい展開が続きそうです。一方、雇用環境の改善が続いていることなどから、物価が上向くにつれ債券利回りには次第に上昇圧力が強まりそうです。今後は、米国の利上げがどのようなペースで行われるかが注目されます。

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