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FTAAP(グローバル)【キーワード】

2014年11月14日

<今日のキーワード>
「FTAAP(エフタープ)」はFree Trade Area of the Asia-Pacificの略称で「アジア太平洋自由貿易圏」と言います。モノやサービスの自由な貿易や投資を行うために、関税や貿易制限的な措置を取り除くなど、幅広い分野での経済連携の強化を目指すものです。「FTAAP」はアジア環太平洋経済協力会議(APEC)が提唱する自由貿易圏構想です。

【ポイント1】アジア太平洋では様々な経済圏の枠組みが存在

枠組みごとに主導権を有する国が異なる
■アジア地域には、APECが提唱するFTAAPをはじめ、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)など様々な経済圏の枠組みが存在します。枠組みごとに主導権を担う国・地域が異なり、それぞれの利害関係が複雑化しているとも言えそうです。

【ポイント2】FTAAPはAPECが基盤

中国が自由化促進をアピール
■「FTAAP」はAPECに参加する21カ国・地域で構成されています。今月北京で開催されたAPEC首脳会議の宣言文には、域内におけるFTAAPを「可能な限り早期に実現」する目標と、実現に向けた共同研究を立ち上げ2016年末までに報告することが盛り込まれました。

■また、中国は今回のAPEC開催中に韓国との2国間FTAを実質的に妥結するなど、貿易自由化の促進を積極的に加速する姿勢を内外にアピールしました。

【今後の展開】急がれるTPP交渉妥結

■貿易自由化の主導権争いが鮮明化
一方、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、東アジアと米州による、中国を除いた12カ国の経済連携協定です。TPPは、日米交渉の難航が障害のひとつなり、年内の合意が難しくなりました。こうしたタイミングで中国がFTAAP促進をアピールしたことで、アジア地域を巡る貿易自由化の主導権争いが鮮明化しているとみられます。

■来年春の妥結には日米交渉の進展が不可欠
安倍首相はFTAAPを重視する姿勢を示し、これを進めて行くためにも、日本が主導してTPP交渉の早期妥結に向けて努力することを強調しました。FTAAPは2016年末までに研究結果が報告された後に具体的な枠組みが検討されます。日本としては、米国との交渉を進展されることで、FTAAPよりも先に貿易自由化の道筋を示したいところです。

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