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【キーワード No.1,323】OECDも先進国経済の復調を予測(グローバル)

2014年5月8日

1.「OECD」とは?

 OECDは、「Organisation for Economic Co-operation and Development」の略称で「経済協力開発機構」と訳されます。主に欧米中心の先進国によって構成され、世界経済の発展や社会福祉の向上に向けた政策を推進するための国際機関です。本部はフランスのパリに置かれ、現在34カ国が加盟しています。

2.最近の動向

 OECDは6日、半年に一度の経済予測を発表し、2014年の世界経済の実質GDP成長率の見通しを、前年比+3.4%(▲0.2%の下方修正)としました。
 OECD34カ国では、2014年の成長は同+2.2%(▲0.1%の下方修正)と見込まれています。日米の見通しが小幅に引き下げられた一方、ユーロ圏の上方修正が全体を支えました。このほか、前回の予測は中国を同+8.2%と高く見込んでいましたが、今回はこれを同+7.4%と、足元の成長鈍化を織り込みました。

3.今後の展開

 また、OECDは2015年には世界経済の成長率が、同+3.9%に加速していくと見込んでいます。こうした見通しは、IMFの「世界経済見通し(WEO、2014年4月版)」とも、ほぼ合致するものです。
 これらの国際機関の予想に共通するのは、今後2年程度は先進国経済が復調し、新興国経済が減速する局面を支えるという点です。特に今回のOECDの予測においても、米国で固定資産投資が金融危機以前の水準を近く超えていくとの見方や、世界の貿易の伸びが1990年以来の長期平均(年+7%、足元は同+4%程度)に近付いていくといった見方が示されました。
 ただし、OECDは国・地域ごとの課題も指摘しています。今回、成長率を上方修正したユーロ圏についても、低インフレを払しょくするには足元の成長が不十分と見ており、ECBに一段の金融緩和を提言しました。また日本にも、財政再建の継続と成長戦略(アベノミクス第三の矢)を急ぐよう、促しています。
 先進国の最近の動向を見ると、米国経済の着実な回復に加え、ユーロ圏でも財政緊縮の影響が後退し、成長が緩やかに加速しています。日本でも、消費税増税後の消費ムードは、懸念されたほどは落ち込んでいないようです。今後1~2年の世界経済が着実に回復できるか、各国当局の手腕が試されそうです。

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