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「フランス大統領選挙」、マクロン氏勝利(欧州)【キーワード】

2017年5月9日

<今日のキーワード>
「フランス大統領選挙」の決選投票は7日実施され、親欧州連合(EU)の立場をとる中道系無所属のマクロン氏が、反EUを掲げる極右・国民戦線(FN)のルペン氏を破って勝利しました。EU離脱を決めた英国に続き、フランスでルペン大統領が誕生すればEUは崩壊の危機を迎えかねないため、世界が「フランス大統領選挙」に注目しましたが、決選投票は事前予想通りマクロン氏が勝利しました。

【ポイント1】マクロン氏が圧勝

最年少の大統領誕生

■フランス内務省によると、マクロン氏の得票率は約66%と、ルペン氏の34%を大きく引き離しました。事前の世論調査をやや上回る結果となりました。マクロン氏は親EUの政策を掲げたほか、二大政党による既存の政治体制から距離を置いたことにより、幅広い支持を集めた模様です。また、最年少の39歳の大統領となると共に、現在の共和制では左右の二大政党に属さない初めての大統領となります。

【ポイント2】マクロン氏の素顔

エリートで議員経験なし

■マクロン氏は、エリート養成の国立行政学院を卒業し、高級官僚や投資銀行での勤務を経験しました。オランド大統領の側近として大統領府に入った後、経済相を務めました。16年に自ら率いる政治団体「前進」を立ち上げ、閣僚を辞任し大統領選挙に出馬しました。議員の当選経験はありません。

■親EUの立場で、経済政策では、競争を歓迎したうえで、労組、企業の双方に配慮する姿勢をとっています。また、社会の多様性を重視し、移民の受け入れにも寛容です。私生活では、妻は高校時代の教師で25歳年上のブリジットさんです。

【今後の展開】株式、為替市場は政治リスク後退を好感

■「フランス大統領選挙」でのマクロン氏の圧倒的な勝利により、16年の英国の離脱選択で揺らいだEUの結束は強まる見通しです。このところ、米欧を席巻した大衆迎合主義(ポピュリズム)の勢いは弱まる格好となり、市場は政治リスクの後退を好感しています。

■ユーロは主要通貨に対して急伸しました。対ドルでは8日に一時1ユーロ=1.10ドル台に上昇し、約6カ月ぶりの高値をつけました。リスクオン(選好)の動きが強まるなか、安全通貨とされる円は売られ、円安地合いとなっています。また、株式市場でも、8日の日経平均株価は450円上昇し、年初来高値を更新しました。マクロン氏勝利を受け、市場では当面リスクオン(選好)の動きが続きそうです。

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