「オランダ総選挙」、極右の強い存在感(欧州)【キーワード】

2017年2月27日

<今日のキーワード>
オランダでは、3月15日に下院議会の総選挙が実施される予定です。ここ数年、極右の自由党が支持を伸ばしており、現・連立与党の自由民主国民党(VVD)や労働党を凌ぐ勢いとなっています。しかし、自由党が単独与党となるにはその勢いは足らず、また他の主要政党が自由党との連立・連携に否定的な姿勢を示す中、極右政権樹立の可能性は低いと見られますが、今後フランスやドイツで控える選挙にどの程度影響力を残すのか注目されます。

【ポイント1】「オランダ総選挙」は3月15日実施予定

2015年以降、反EUや反移民を掲げる自由党が支持率を伸ばす

■3月15日、オランダでは下院議会の総選挙が実施予定となっています。オランダでは現在、ルッテ首相率いる自由民主国民党(VVD)と労働党が連立与党となっています。オランダの下院は総議席150議席となっており、現在はVVDが40議席、労働党が36議席と、両党でおよそ半数を占めています。

■これに対し、2015年の欧州の難民危機以来、極右の自由党が支持を伸ばしています。自由党は、反EU、反移民、反イスラムを掲げており、党首のウィルダース氏は、自由党が選挙に勝利すれば、EUに加盟していることの是非を問う国民投票を実施するとしています。

【ポイント2】自由党は支持率を落とすもトップを維持

VVDがより右寄りとなり、自由党は伸び悩む

■2月中旬の世論調査では、ウィルダース氏率いる自由党は支持率を落としたものの、依然として現・与党のVVDを上回って支持率トップとなっています。獲得議席数では、自由党は現在の15議席から29議席(全体の19%)と躍進する一方、VVDは25席(同16%)、労働党は11議席(同7%)に議席を減らすとの予想もあります。

■足元では、VVDが自由党に対抗するため、より右寄りの姿勢を強めてきており、自由党の支持が伸び悩んでいると見られます。

【今後の展開】極右政権樹立の可能性は低いものの、他国選挙への影響に注目

■自由党は、第一党になったとしても単独与党には遠く及ばず、連立交渉が必要となりそうです。しかし、他の主要な政党は、自由党と距離を置き、自由党が主導する連立交渉や連携には否定的な姿勢を示しています。自由党が連立交渉に失敗した場合には、第二党となると見られる現・与党のVVDがリーダーシップを発揮する形で連立協議が進むと見られます。このあと4月、5月にはフランス大統領選挙が控えており、自由党と同じく反EUや反移民などを唱える極右・国民戦線のルペン党首が支持率を高めているほか、秋にはドイツの総選挙も控えています。今回の「オランダ総選挙」で自由党がどの程度の影響力を残し、これが他の欧州主要各国の選挙に影響するのか注目されます。

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