企業景況感改善、ドイツ株は最高値(欧州)【キーワード】
2015年2月25日
<今日のキーワード>
「Ifo企業景況感指数」は、ドイツのIfo経済研究所グループが公表する、企業アンケートを基に作成している指数です。足元の景気の実態を示す指数(現況指数)と、先行きの景気の改善を示す指数(期待指数)を合成して算出されます。2月の現況指数は低下しましたが、期待指数が上昇し、全体を示すIfo企業景況感指数は上昇しました。
【ポイント1】ドイツの企業景況感は昨年10月を底に改善
ドイツの株式市場は史上最高値更新
■ドイツ企業の景況感が改善しています。23日に公表された2月の「Ifo企業景況感指数」は106.8と4カ月連続して上昇しました。輸出が好調な製造業にとどまらず、これまで脆弱さが指摘されていた小売部門にも改善が広がっています。これらを好感し、ドイツの代表的な株価指数であるDAX指数は、23日に11,130.92ポイントと史上最高値を3日連続して更新しました。
■足元のギリシャ問題の拡大にも関わらず、欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和の拡大などから、今後の景気回復への期待を強めていることが景況感改善の要因と見られます。
【ポイント2】小売業にも回復が拡がる
雇用改善、購買力の強まりが背景
■業種別に見ると、製造業は、ユーロ安と原油安などから輸出が好調で、4カ月連続して改善しました。小売業も2カ月連続して改善し、消費が上向く兆しと考えられます。雇用が増加し、雇用環境の改善が進んでいる上に、低金利などによる家計の購買力の強まりも背景と見られます。

【今後の展開】ドイツが主導し、ユーロ圏は景気回復を強める動きへ
■ユーロ圏は緩やかな景気回復へ
ドイツの主導により、今後、ユーロ圏は景気回復を強める動きが予想されます。しかし、ドイツと比べて、これまで構造改革などに消極的で、足元の回復が脆弱な国もあり、ユーロ圏全体の動きは緩慢となる見込みです。また、ギリシャ支援問題の協議が6月末まで続けられる予定で、ギリシャなどの対応によっては、企業景況感が悪影響を受ける可能性に注意が必要とみられます。
■金融政策に加え、投資拡大も期待される
ユーロ圏では、金融政策による景気刺激に加えて、欧州連合(EU)主導により、欧州戦略投資基金(EFSI)が創設され、今後3年間で3,150億ユーロ規模の投資拡大を図る計画があります。エネルギー、輸送、通信、研究開発分野や雇用を創出する中小企業向けの投資が見込まれ、ユーロ圏の持続的な景気回復に寄与することが期待されます。