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好調を維持した中国・アセアンの『PMI』【キーワード】

2017年10月5日

<今日のキーワード>
『PMI』とは、購買担当者景気指数(Purchasing Managers' Index)の略で、景況感を推し量る上で注目されている月次の経済指標です。50を上回れば景気拡大、下回れば縮小を示します。中国では、中国国家統計局と中国メディアの“財新”が中国の『PMI』を公表しています。それ以外のアジアについては、日本経済新聞社が各国/地域の『PMI』を公表しています。9月は中国、アセアンともに好調を維持しています。

【ポイント1】9月の景況感は高水準維持

中国国家統計局『PMI』は市場予想を上回る

■中国国家統計局が発表した9月の製造業『PMI』は52.4と2012年4月以来の高水準となりました。また8月(51.7)から上昇し、市場予想(ブルームバーグ集計、51.6)も上回りました。

■また、中国メディアの財新が発表した9月の製造業『PMI』は51.0と、8月(51.6)から低下しましたが、景気判断の節目の50を4カ月連続で上回っています。

■東南アジア諸国連合(アセアン)の製造業『PMI』は50.3と2カ月連続で節目となる50を上回りました。タイやベトナムなどが改善しました。

【ポイント2】足元景気は底堅い

価格転嫁も可能

■中国国家統計局の製造業『PMI』の内訳をみると、需要を反映する新規受注が54.8、供給を反映する生産が54.7と共に前月から上昇し、需要と供給の拡大を示唆しました。また新規輸出受注も51.3と前月から上昇し内需外需ともに底堅いことがうかがえました。

■また好調な受注と、環境対策として中国政府が進めてきた供給削減策の効果などから、原材料の仕入れ価格及び産出価格に関する指数がともに上昇しています。これは企業が価格転嫁できる環境を示唆しています。

【今後の展開】景気は回復基調継続、株価は堅調推移

■中国の代表的な株価指数の上海総合指数は年初来高値圏に上昇しています。景気が底堅く、価格転嫁による企業業績の改善が期待されるため、中国株式は今後も堅調に推移しそうです。

■アセアンも、国内や域内需要の増加に支えられた景気回復傾向が見られます。外貨準備の増加が示唆する積極的な自国通貨売りの介入による流動性供給が、金融緩和効果をもたらしており、アセアンの株式市場は今後も堅調に推移しそうです。

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