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「住宅価格」の抑制に効果表れ始める(中国) 【キーワード】

2016年11月21日

<今日のキーワード>
中国の「住宅価格」は、中国国家統計局が毎月発表している「中国主要70都市住宅価格指数」で把握することが出来ます。中国の主要70都市で、前月比及び前年同月比で同指数が上昇、下落、横ばいとなった都市の数が注目されます。各地方政府は住宅価格の高騰を抑えるため、購入抑制策を打ち出しており、足元ではその効果が見られ始めました。

【ポイント1】70都市のうち62都市で価格が上昇

上昇した都市の数が減少し、下落した都市の数が増加

■中国の10月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で価格が上昇したのは62都市となりました。3カ月連続で60都市を超える高水準となっているものの、上昇した都市の数は8月の64都市、9月の63都市と徐々に減少してきています。一方、価格が下落した都市は7都市と、9月(6都市)から増加し、全体として住宅価格上昇の勢いは抑えられてきています。

【ポイント2】深センでは前月比で下落

住宅購入規制の効果が表れ始めた

■これまで価格が大きく上昇してきた都市のひとつである深センは同▲0.5%となり、2014年11月の同▲0.4%以来の下落に転じました。深セン市政府は、10月4日に住宅購入規制を強化しており、この効果が表れ始めたものと考えられます。

■70都市のうち主要15都市を見ると、5都市では10月前半から後半にかけて住宅価格が低下しており、住宅価格には減速傾向が見られます。

【今後の展開】不動産購入制限を導入した都市では上昇ペースの鈍化の見込み

■これまで住宅価格が大きく上昇してきた深センにおいて前月比での価格下落が見られ始めたことは、変化の兆しと捉えることが出来ます。中国では、20超の地方政府が住宅価格の高騰を抑えるために、国慶節前後から相次いで不動産購入を制限する措置を導入しました。深センなどで価格下落の兆候が表れ始めたように、不動産購入の制限措置を導入したほかの都市でも、早ければ年内にも前月比で見た住宅価格の上昇が鈍化してくることが見込まれます。

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