「70都市住宅価格指数」は過熱気味(中国) 【キーワード】
2016年5月19日
<今日のキーワード>
「中国主要70都市新築住宅価格指数」(以下、70都市住宅価格指数)は、中国国家統計局が主要70都市について平均的な販売用新築住宅価格を指数化したもので、毎月算出されます。70都市には、北京、深センなどの大都市と中都市が選ばれています。70都市のうち、前月比で指数が上昇、下落、横這いとなった都市の数も注目されます。
【ポイント1】価格上昇都市数は13年12月以来の高水準
住宅価格の上昇が引き続き加速
■70都市の新築住宅価格動向を見ると、4月は上昇した都市数が65都市と3月の62都市から増加しました。65都市は2013年12月以来の増加数です。一方、低下した都市数は8都市から5都市にさらに減少しました。70都市の新築住宅価格を加重平均すると、前月比+1.45%と、3月(同+1.31%)から加速しました。
【ポイント2】深センが前年比6割上昇

地方都市への広がりも継続
■主要都市で住宅価格の動向を見ると、15年以降、上昇ペースが際立っている深センは、4月に前年同月比+62.6%の上昇となりました。ただ、前月比では+2.3%と3月(同+3.7%)よりも伸びが鈍化しました。上海は前年同月比+28.4%、前月比+3.1%、北京はそれぞれ同+17.3%、同+2.7%でした。
■地方都市にも住宅価格の上昇の広がりが見られます。4月に前月比で最も上昇した都市は、合肥(ホーフェイ。安徽省の都市で上海の西に位置する)で、前月比+5.7%と上昇しています。
【今後の展開】上昇ペースは緩やかに鈍化する見通し
■中国の新築住宅価格の上昇は顕著で、地方都市への広がりが続く見通しです。ただ、これまでの行き過ぎた緩和の修正が始まっているため、不動産投資はいずれ鈍化に向かうと思われます。頭金ローンなどの投機的なスキームに対して、徹底的な取り締まりを行っているわけではないことから、住宅価格の上昇ペースの鈍化は緩やかなものに留まると思われます。