ホームマーケット日々のマーケットレポート明日から「春節」、7連休(中国)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

明日から「春節」、7連休(中国)【キーワード】

2015年2月17日

<今日のキーワード>
中国では、旧暦の正月(「春節」)は、工場や役所などが一斉に休業します。その前にボーナスなどを支給する慣例があることから、「春節」の消費が一年で最も盛り上がるようです。今年は、2月18日から24日までが「春節」の休日です。ただ、倹約令の影響もあり、近年は「春節」中の国内消費は鈍化傾向で、代わって、海外への買物ツアーなどが人気と言われています。

【ポイント1】「春節」の国内消費は鈍化傾向

倹約令や腐敗撲滅運動から、高級品の販売が近年不振
■中国商務省が公表する昨年2014年の「春節」消費は、前年比+13.3%の増加と、2011年の+20%近い増加から鈍化傾向となっています。2012年に習近平氏は党総書記に就任し、綱紀粛正・反腐敗運動に力を入れ、公務員などへの高額の贈答を禁止しました。その結果、「春節」の高級品の販売が鈍化傾向とされています。

【ポイント2】買物目的の海外旅行が増加

海外製品の質への信頼は高い
■「春節」の国内消費が盛り上がりに欠ける一方で、ライフスタイルの変化や所得の向上から、海外への買物ツアーが増加傾向にあると言われています。入国査証(ビザ)の発給要件を緩和する国の広がりも背景となっています。

■高所得者層の買物ツアーの増加の背景は、海外製品の質への信頼が高いことにあります。また、海外旅行も複数回となる人も増え、訪問地も代表的な観光名所ではなく、趣味などの個人ニーズに合わせて多様化しているようです。

【今後の展開】「春節」後の景気対策として金融政策のほか、産業政策にも期待

■中国人旅行者拡大の経済効果を狙う
増加する中国人旅行者の獲得を積極的に狙う動きが広がりつつあります。中国人の好みに合わせた食事やおもてなしの提供に注力する企業なども増えているようです。2013年の統計では、香港・マカオ・台湾を除き、韓国、タイ、米国、日本が中国人の海外旅行先の上位4カ国であり、これらの国では、強まる中国人の購買力による「春節」効果が期待されています。

■「春節」後の経済対策への期待高まる
「春節」の中国国内の経済効果が期待ほどでは無いと、「春節」後に、景気対策への期待が高まると見られます。機動的な金融政策の他に、サービス業を中心とした経済への構造転換を早める産業政策も期待されます。消費者ニーズに応える国内製品・サービスの質の向上が、長期的な視点での産業競争力のアップ、さらには内需拡大につながると見られます。

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