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「中央経済工作会議 」で方針決定へ(中国)【キーワード】

2014年12月12日

<今日のキーワード>
「中央経済工作会議」(以下、工作会議)は、例年12月に翌年の経済政策の方針を決定する会議です。10月~11月に開催される中国共産党の中央委員会全体会議(今年は「四中全会」)を踏まえ、2015年の経済成長率の目標や財政、金融政策の方針を決定します。

【ポイント1】2015年の成長率目標を「7%前後」へ引き下げの見込み

これまでの高成長とは異なる成長と、構造改革の共存する「新常態」へ
■12月9日からの工作会議で、2015年の成長率目標は「7%前後」と今年の「7.5%前後」から引き下げられると一部で報道されています。成長率の低下をある程度受け入れ、過剰生産能力の削減と不動産市場の過熱回避などを優先する見込みです。こうしたバランスのとれた状態を「新常態」と呼び、これまでの高成長とは異なる成長と、構造改革の共存を目指す姿勢と見られます。

■これらの方針や目標は、来年3月に開催される「全国人民代表大会」(日本の国会に相当)での承認を踏まえて正式に決定されることとなります。

【ポイント2】財政・金融政策は現行方針が継続

財政は積極的、金融は穏健
■財政・金融政策は現行方針が継続される見込みです。財政赤字の比率を一定範囲に抑えて景気刺激策を講じ、企業の資金繰りへの悪影響を取り除く範囲で利下げが行われる見込みです。

■11月の利下げは、穏健な金融政策の下でも機動的な利下げが可能なことを示しました。株式市場は、景気減速に当局が素早く対応したことを好感しています。

【今後の展開】次期5カ年計画を想定し、構造改革と国際戦略に注力へ

■構造改革への意欲を見せる習主席
来年は現在の5カ年計画の最終年にあたり、次期5カ年計画策定の準備に入ります。経済面に関しては大方の目標の達成が視野に入っていることから、地方財政改革、農業の近代化などを含めた経済構造改革に習主席は一層の力を入れ、「新常態」の実現が期待されます。

■国際戦略加速への期待と課題
景気対策として、輸出環境の整備に注力する見込みです。中国主導の国際経済連携や現代版シルクロード(一帯一路)の建設などが注目されます。一方、こうした改革の恩恵を受けない層との格差拡大や環境悪化など、負の側面も予想され、習主席は難しい舵取りを迫られそうです。

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