インドで始まった『GST』は順調な船出【キーワード】

2017年7月21日

<今日のキーワード>
7月1日、インドで1947年の独立以来最大の税制改革とされる『GST(物品・サービス税)』が導入されました。これまで各州ごとに税目、税率がばらばらであった間接税を統一することは、インドにとって積年の課題でした。モディ政権は2016年夏に憲法改正を行い、ついに『GST』導入を実現しました。間接税の複雑な税体系を大きく簡素化した『GST』は、インド経済にどのような影響をもたらすのでしょうか?

【ポイント1】7月1日より『GST』導入

大きな混乱は生じていない模様

■モディ政権の目玉政策である『GST』が、予定通り7月1日より導入されました。『GST』導入は、インドにおける間接税徴税の枠組みを根幹から変える改革であり、大掛かりなシステム入れ替え作業が必要になることから、導入直後に社会的混乱を引き起こすのではないかと懸念する声が多くありました。しかし、現地の報道を見る限り、これまでのところ大きな混乱は生じていない模様です。

【ポイント2】『GST』の影響は品目毎にまちまち

インフレ率への影響は軽微か

■『GST』導入の影響は品目毎にまちまちです。例えば、エアコンなどの白物家電の税率は、『GST』導入前の22~25%から、導入後は28%に増税となる一方、SUVなどの高級車は、導入前の55~58%から、導入後は43%に減税となりました。

■『GST』導入後の税率の変化について、インフレ率全体への影響を大まかに試算すると、インフレがやや鈍化する程度(▲0.3~▲0.4%)に留まると見られます。

【今後の展開】生産性向上と税収増に伴う経済の好循環を期待

■『GST』導入により、税体系の簡素化に伴うコスト軽減など、経済活動全体の効率化が見込まれます。更に、インドの『GST』は企業に対し、自発的な売上の申告を促す仕組みになっているため、課税ベースの拡大を通じた税収増にも繋がると思われます。インドでは、これまでは課税逃れのために売上を申告してこなかった企業が相当数存在したと見られていますが、『GST』導入をきっかけに、そうした企業が自発的に売上を申告し、納税を行うようになることが期待されるからです。

■『GST』導入によって、経済の効率化が進展すると共に税収が増加し、その増加した歳入をインフラ投資等に振り向けることで一段と生産性が向上すれば、更なる税収の上振れに繋がるといった経済の好循環も期待されます。

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