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改革促すインド「州議会選挙」結果(インド)【キーワード】

2015年11月10日

<今日のキーワード>
モディ首相率いるインド人民党(BJP)は、下院で単独過半数を占める一方、上院では少数政党の地位にあり、経済構造改革(モディノミクス)の法案の成立が進みにくい状況です。上院議員が主に地方議会での間接選挙で選出されるため、BJPは「州議会選挙」での勝利による議席増を狙っています。11月8日開票のビハール州の「州議会選挙」は、モディ政権が上院で勢力を拡大できるか見極めるうえでも注目されていました。

【ポイント1】ビハール州「州議会選挙」でモディ首相のBJPは敗北

BJPは上院で勢力拡大できず
■報道によると、開票結果は、ビハール州議会の総議席数243のうち、地域政党のジャナタ・ダル統一派(JD-U)を中心とする連合が178議席、BJPを中心とする連合が58議席、その他が7議席となりました。

■今回の選挙で過半数を獲得できなかったことから、BJPの上院で勢力を拡大させる戦略は足踏みすることとなりました。今後他の州議会選挙で勝利を続けたとしても、現在の下院の任期中(2019年まで)にBJPが上院で過半数を獲得するのは困難になったとの報道も見られます。

【ポイント2】構造改革がJD-U連合の人気に

国政レベルでも改革スピードアップへ
■BJPは、会派として敗北したものの、単独政党としての得票率は、24.8%とトップになった模様です。

■勝利したJD-U連合のクマール氏は、これまで同州首相としてインフラ整備や公共サービスの改革などを積極的に進めており、構造改革姿勢が好感されて勝利につながったとの報道が目立ちます。

■対立する会派とはいえ、構造改革路線への支持が高いことがうかがわれ、国政レベルの改革のスピードアップを促す結果になったといえそうです。

【今後の展開】国民は構造改革を期待、重要法案審議の進捗に注目

■改革法案審議への野党の姿勢に注目
先の夏季国会では、与野党の対立でモディノミクスの目玉である物品・サービス税(GST)法案と土地収用法案の審議が止まりました。構造改革への国民の期待が明らかになったことから、今後見込まれる両法案の審議で野党が姿勢を軟化させるか注目されます。

■モディ首相の改革推進手腕に注目
国会のねじれ解消が難しい状況となりましたが、BJPは今後も上院での議席を増やして野党との勢力格差を埋めていく方針と思われます。支持拡大に不可欠なモディノミクスのスピードアップに向けて、モディ首相の政策手腕が注目されます。

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