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アジア通貨は経常収支改善を好感(アジア)【キーワード】

2015年5月13日

<今日のキーワード>
経常収支は、外国との資金のやりとりを表す指標の一つです。貿易収支(モノの輸出と輸入の差額)、サービス収支(サービス取引の収支など)、所得収支(配当金や利子の収支など)などで構成されます。経常収支の黒字は、受け取り超過の状態を意味し、受け取った外貨が自国通貨に交換される(自国通貨買い)ことにより、自国通貨高要因となります。

【ポイント1】昨年来の原油安などにより経常収支の黒字が拡大

インドやインドネシアは赤字縮小へ
■アジア新興国では、主にエネルギーや原材料を輸入し、加工・組み立てをして工業製品を輸出しています。また原油は、自動車の普及に伴いガソリンに加工され消費が拡大しています。こうしたことから、原油や原材料価格が下落すると、総じて輸入額の減少を通じて経常収支の黒字が拡大または赤字が縮小する要因となります。

■アジアの多くの国では、昨年来の原油・資源価格の下落により、経常収支の黒字が拡大または赤字が縮小傾向にあり、通貨の下支え要因となっています。

【ポイント2】経常収支は緩やかな改善へ

世界経済の回復と資源価格の安定が背景
■米国などの景気回復による輸出拡大や、原油・資源価格の安定により輸入の落ち着きが見込まれることから、アジアの多くの国では経常収支が緩やかに改善(黒字拡大または赤字縮小)すると思われます。

■原油価格は、需給要因などからみて、昨年前半のように100ドルを超えて上昇する可能性は限定的と見られます。原油価格の安定は、特に経常収支が赤字のインドやインドネシアの経済・通貨にとって懸念材料が減ることになります。

【今後の展開】経常収支の改善に支えられ、アジア新興国通貨は底堅い推移へ

■経常収支の改善は通貨高要因
経常収支の改善は、受け取った外貨が自国通貨に交換される(自国通貨買い)ことや、海外から国内金融市場への資金流入が強まることなどから、自国通貨が高くなる要因です。

■アジア新興国通貨は底堅い推移へ
アジア新興国通貨は、経常収支の緩やかな改善を背景として、底堅い推移が持続すると思われます。インドやインドネシアでも、経常収支の赤字縮小が見られれば、両国通貨にとって好材料です。

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