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豪州中銀の基礎知識(豪州)【キーワード】

2015年4月30日

<今日のキーワード>
オーストラリア準備銀行(RBA)は、同国の中央銀行として金融政策を担っています。もとは、前身の市中銀行(オーストラリア・コモンウェルス銀行)が中央銀行機能を有しており、RBAは、1960年にその機能を引き継いで業務を開始しました。RBAの金融政策の目的は法律で定められており、①通貨価値の安定、②最大雇用の維持、③経済的繁栄と人々の幸福とされています。

【ポイント1】物価の安定が実際の目標、年2~3%が“ターゲット”

政策金利「オフィシャル・キャッシュレート」の誘導が手段
■1993年以降、金融政策の実際の目標として、消費者物価の上昇率を年2~3%に安定させることが明確にされました。RBAは、中長期的な物価の安定を通じて持続的な経済成長を促す、と説明しています。物価を安定させることで、第一の目的「通貨価値の安定」を図るねらいがあります。

■物価上昇率を政策目標のひとつとする政策は「インフレ・ターゲット」と呼ばれ、米国、ユーロ圏をはじめ主要国で導入されています。日本でも「2%の物価安定の目標」として同様の政策がとられています。

■一般に、物価安定を図る政策手段のひとつは「政策金利」です。物価が高騰する場合は、「政策金利」を引き上げ、借入を抑制することなどで景気と物価を冷やす措置をとります。逆に、景気が落ち込んで物価が上がりにくい場合は、「政策金利」を引き下げて景気を下支えします。オーストラリアの場合は、「政策金利」として「オフィシャル・キャッシュレート(OCR(*))」と呼ばれる金利が使用されます。

(*)OCRは、銀行間の取引に適用される翌日物貸出金利です。RBAは、OCRの誘導目標を示すことで市場金利を調節します。

【ポイント2】政策決定は、1月を除く毎月

毎月第1火曜日の午後2時30分に発表
■RBAの政策決定会合は、総裁以下9名で行われ、多数決で政策が決定されます。開催は、1月を除く毎月第1火曜日と定められています。決定内容は、当日の午後2時30分(日本時間の午後1時30分、サマータイムの場合は午後0時30分)にRBAのウェブサイトに公開されます。

■またオーストラリアでは、主要な物価統計の公表が、毎月ではなく、四半期毎です。公表前後の政策決定会合は、特に注目度が高まります。

【今後の展開】次回の会合で利下げが濃厚、過去最低の政策金利で景気をサポート

■次回会合は5月5日に開催、利下げが濃厚
次回の会合は、5月5日に開催されます。今月発表された1-3月期の消費者物価の上昇率が、低下基調を維持する内容だったことから、市場では利下げ観測が強まっています。日本時間の当日午後1時30分の結果発表が注目されます。

■豪ドルは底堅く推移する見込み
底堅い景気を背景に、年内の利下げは0.25%程度の小幅にとどまる見込みです。日本など主要国に比べて高い金利水準は変わらず、豪ドルは底堅く推移すると見込まれます。

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