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インドの「国家予算案」は28日発表(インド)【キーワード】

2015年2月26日

<今日のキーワード>
2015年度(2015年4月~2016年3月)「国家予算案」は、28日にジャイトリー財務大臣により国会へ提出される予定です。今回の「国家予算案」は、モディ政権による最初の通年「予算案」であり、中長期的な経済構造改革に関わる諸施策も盛り込まれることから注目されています。そのなかで、財政収支の赤字縮小やインフラ整備に向けた投資の拡大などが特に注目されます。

【ポイント1】財政健全化とインフラ整備に向けた支出拡大を同時にねらう

原油安で財政に余裕も
■「予算案」は、2月28日に発表された後、国会での審議を経て成立する見込みです。2014年度の予算案では2015年度の財政収支の赤字目標がGDP比で3.6%(2014年度見込みは同4.1%)とされました。原油など資源価格の下落により燃料補助金の削減余地が生じたことなどから、その分をインフラ整備向けの支出に振り向け製造業の発展を目指す方向性が示される見込みです。

【ポイント2】財政赤字目標の達成が視野に入る

インフラ向けなど計画的支出は拡大の見込み
■歳入は、景気回復による税収増などから前年度比+10%台後半で増加し、歳出は燃料補助金が大幅に減少する一方、インフラ整備などを含む計画的支出が同+20%台後半の伸び率となり、全体では同+10%台前半で拡大するとの見方が優勢です。

■財政赤字の2015年度目標であるGDP比3.6%は、歳出を上回る歳入の伸びにより達成の可能性が高いと見られます。一方で、2014年度よりは改善するもののインフラ整備向けなどの支出の拡大により、目標の3.6%を上回るとの見方もあります。

【今後の展開】財政収支の目標達成に注目、鉄道網の整備や住宅の普及にも期待

■経済成長率の前提は前年度から加速
政府は、「予算案」の前提となる2015年度の経済成長率を+7.0~7.5%と見込んでいるようです。今年に入り行われたインド準備銀行による利下げは景気のサポート材料となり、原油安や米国を中心とする世界経済の回復などにより成長率達成の可能性は高いと見られます。

■鉄道網の整備や住宅の普及に期待
「予算案」では、中長期の経済政策の方針なども示されます。そのなかで、政府が課題としている鉄道網の整備や、国民全体への住宅や電力供給の普及に向けた取り組みの強化にも期待ができそうです。

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