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「モディ政権」、地方選敗北も無風(インド)【キーワード】

2015年2月16日

<今日のキーワード>
「モディ政権」は、昨年5月の総選挙でインド人民党(BJP)が単独過半数を取得して発足しました。モディ首相の経済政策「モディノミクス」では、外資を含む民間活力の導入、インフラ整備、行政の簡素化などを進めています。2月7日に実施されたデリー首都圏(州に相当)の議会選挙は、「モディノミクス」の中間評価として注目されていました。

【ポイント1】庶民党(AAP)が大勝

国政与党のBJPは、3議席の獲得にとどまる
■デリー首都圏の議会選挙では、70議席中67議席を庶民党(AAP)が獲得し、国政与党のBJPは3議席にとどまりました。AAPは、政治腐敗の根絶を訴えて2012年に設立されました。デリー首都圏では根強い人気があり、党首のケジリワル氏は、一時デリー首都圏の首相を務めたこともあります。

■BJPの敗北は、「モディ政権」に対する批判の表れと見る向きもあります。ただし選挙の情勢を受けた株式市場の反応は、一時下落したもののその後は値を戻しています。

■市場が比較的冷静な反応となった背景としては、AAPが国政レベルでは存在感が薄い(下院の現541議席中4議席)ことや、今回の獲得票数の割合がAAPの54.3%に対して、BJPは32.2%と、議席数ほど差がなかったことなどがあげられます。

【ポイント2】「モディノミクス」積極化のきっかけに

国民の経済への不満解消へ
■「モディ政権」への一部の批判は、国民が「モディノミクス」の効果を十分に感じられていないことが背景にあります。今回の敗北を機に、モディ首相が経済構造改革や税制改革取り組みをこれまで以上に積極化するとの期待も高まっています。

【今後の展開】来年度予算案で「モディノミクス」加速の期待が高まるかに注目

■来年度予算案に注目
今月末頃には、政府が来年度(2015年4月~2016年3月)予算案を議会に提出する予定です。特に、「モディノミクス」の目玉として、物品・サービス税(GST)の導入、インフラ支出の拡大、公務員の人件費抑制などが盛り込まれると期待されています。

■「モディノミクス」推進が株式市場の下支えに
インド株式市場は、モディ政権誕生後、概ね上昇傾向が続いていましたが、1月に過去最高値をつけて以降、足元でやや軟調な展開になっています。来年度予算案の発表をきっかけに、「モディノミクス」推進への期待が高まり、市場を後押しすることが期待されます。

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