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「ジョコウィの改革」が進展(インドネシア)【キーワード】

2015年2月9日

<今日のキーワード>
ジョコウィ政権が昨年10月に誕生して約3カ月半が経過しました。今年1月に議会に提出した予算案は、燃料補助金の削減により財政に余裕が出た分をインフラ投資などに充てる内容です。また、外国企業の投資申請窓口を一本化し、行政サービスの迅速化を図りました。改革実行の迅速さなどで内外の評価が高まっており、改革の進展による中長期的な経済の成長期待が高まっています。

【ポイント1】補助金削減を皮切りに、改革へ向けて好スタート

国民生活の向上策も実施
■ジョコウィ大統領は就任後すぐに燃料補助金の削減に動き、改革を進める決意を内外にアピールしました。大統領権限で実行できる改革から着手し、好スタートを切っています。

■一方、庶民派大統領として、医療などの福祉や教育などの分野で国民生活の向上策も打ち出しています。支持基盤である年収が特に低い人々に、健康カード、福祉カード、教育支援カードを発行し、支援が円滑に受けられる制度を開始すると発表しました。

【ポイント2】議会では野党との協調が不可欠

国民からの支持の低下がリスク
■議会ではジョコウィ大統領が率いる与党が小数派であり、野党と協調の上で改革を進めなければなりません。政権基盤の弱さが政権発足当初から懸念されており、それを補ってきたのが国民の間での人気の高さです。

■燃料補助金の削減により、ガソリン価格は上昇し、国民の不満の声も聞かれました。しかし、足元の原油安からガソリン価格の上昇が抑制され、大きな支持の低下にはつながっていない模様です。今後は、国民負担が増す政策などで、国民や野党の反発により改革が頓挫する場合には注意が必要です。

【今後の展開】迅速な改革実行により、中長期的な成長の上積みが期待される

■投資拡大による成長は政権基盤の安定に寄与
ジョコウィ大統領は、迅速な改革の実行によって、外国からの投資拡大を図り、経済を成長させることで政権基盤を安定させる、という経済と政治の好循環をシナリオとして描いていると見られます。海外からの投資を得るために、インフラ整備への着手と投資手続きの簡素化・迅速化が課題です。

■中長期の成長期待から株式市場は底堅い展開
ジョコウィ政権発足後も、インドネシアの株式市場は堅調さが続いています。インドネシアは、アジア第3位の人口大国で、しかも年齢構成が若いことが魅力です。ジョコウィ大統領の改革の進展によって、中長期的な経済成長がさらに高まることが期待されています。

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