モディ首相の「投資誘致」(インド)【キーワード】
2015年1月22日
<今日のキーワード>
「投資誘致」は、主に海外の企業による直接投資を誘致することです。「投資誘致」により、技術の導入や雇用の拡大が期待され、所得の増加も期待されることから消費市場の魅力も増します。インドでは2014年5月にモディ政権が誕生し、製造業の発展を目指す「モディノミクス」を前進させています。インフラなどの投資環境を整備し、「投資誘致」に向けたアピールを積極的に行っています。
【ポイント1】グジャラート州で投資誘致会議を開催
2014年9月には安倍首相がインドへの投資拡大を表明
■今年1月11日~13日、インド西部のグジャラート州で投資誘致会議「バイブラント・グジャラート」が開催されました。各国から多数の企業が参加し、工場建設などで新規投資の表明がなされました。グジャラート州は、モディ首相が州首相を務めた期間に目覚ましい経済発展を遂げました。同州を「投資誘致」のモデルとしてインド全体へ波及することを目指しています。
■2014年9月1日に日印首脳会談が開催されました。会談後安倍首相はインドへの直接投資と日本企業の進出数を5年間で倍増させる目標を表明しました。日本企業によるインドへの投資拡大が今後期待されます。
【ポイント2】外資規制は保険・鉄道などで緩和
インフラ整備への取り組みも前進
■投資を誘致するため、2014年12月末までに外資の規制は保険、防衛、建設、鉄道などの分野で緩和されました。
■また、工場法の改正による雇用制度の整備や、石炭生産の規制緩和により電力供給力の強化が目指されるなどインフラ整備への取り組みが強化されました。加えて、建設や鉄道分野での外資規制の緩和はインフラ整備を後押しします。

【今後の展開】「モディノミクス」の前進とトップの「投資誘致」による投資拡大に期待
■「モディノミクス」は前進中
「モディノミクス」では、雇用やインフラ面での取り組み強化に加え、物品・サービス税(GST)の導入が目指されています。GSTの導入により、租税制度の簡素化を通じて企業負担を軽減する効果が期待されます。
■トップによる「投資誘致」推進
モディ首相は1月30日に英国を訪問する予定です。「投資誘致」に向けた発表がなされるか注目されます。トップによる「投資誘致」推進や「モディノミクス」の前進により、海外の企業によるインドへの投資は拡大が期待できそうです。