ホームマーケット日々のマーケットレポートアジアで期待の「インバウンド消費」(アジア)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

アジアで期待の「インバウンド消費」(アジア)【キーワード】

2015年1月7日

<今日のキーワード>
「インバウンド消費」は、外国人旅行者による消費のことです。外国人訪問者数の多い国・地域(2013年)は、1位がフランス、2位が米国です。アジアでは、中国が4位に入り、20位以内にタイ、マレーシア、香港、マカオが、40位以内に韓国、シンガポール、日本、インドネシア、台湾、ベトナムが入ります。アジア域内の旅行者の増加により、アジアで「インバウンド消費」の拡大が期待されます。

【ポイント1】アジアの「インバウンド消費」は旅行者の増加により拡大傾向

2014年はマレーシア、インドネシアで大きく増加
■アジア各国・地域へ向かう旅行者数の増加を背景に「インバウンド消費」は、東南アジアを中心に拡大傾向です。2014年は、マレーシア、インドネシアなどで外国人訪問者数の増加が勢いを増しました。両国政府は、中国やイスラム圏からの観光客の誘致などに力を入れており、観光収入は増加基調にあります。

■一方、タイでは、2013年11月以降高まった政情不安により旅行者数が落ち込み、「インバウンド消費」は低調と見られます。今後政情の安定化により回復が期待されます。

【ポイント2】中国人の旅行者が増加

アジアへの旅行者増加に期待
■中国人の海外旅行者数(香港、マカオへの旅行を含む)は、毎年2割前後のスピードで増加しています(2013年、約1億人)。そのうち香港とマカオを除くアジアは全体の約2割にとどまり、今後の拡大が期待されます。

■中国人の海外旅行者は、各国政府の誘致政策などにより増加し、2011年~2013年の期間に東南アジアで年平均30%台の伸び、韓国、台湾、香港では同じく20%台の伸びとなっています。中国人旅行者の増加は「インバウンド消費」をけん引する要因です。

【今後の展開】アジアの「インバウンド消費」はアジア中間層の拡大などでさらに増加へ

■アジアでの中間層拡大により増加が続く見込み
所得水準の上昇により、アジアの中間層は拡大が見込まれます。中間層の拡大でアジアでの旅行者の増加も見込まれ、国・地域をまたいだ観光客が増加することにより、アジア全体の「インバウンド消費」は拡大が続きそうです。

■アセアン経済共同体の設立も増加を後押し
2015年末にアセアン経済共同体が設立予定です。設立を前にしてアセアンの多くの国では短期ビザの撤廃を実施しており、アセアン各国間での人の移動は活発化しそうです。こうした広域経済圏構想の浸透も、「インバウンド消費」の拡大を後押しすると見られます。

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