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2014年を振り返るキーワード  「アジアの政権交代」で成長期待が高まる(アジア)【キーワード】

2014年12月26日

<今日のキーワード>
2014年はインド、インドネシア、タイで政権交代がありました。アジアの多くの国は民主国家であり、選挙により政権が選ばれます。一方、立憲君主制のタイでは、政治情勢が混迷し治安が悪化したことから、クーデターにより国軍が政権を掌握しました。

【ポイント1】インドとインドネシアでは10年ぶりの政権交代が実現

タイでは2015年10月頃の選挙を経て民政へ移行
■インドでは、インド人民党のナレンドラ・モディ氏が5月に首相へ、インドネシアでは闘争民主党のジョコ・ウィドド氏が10月に大統領へ就任しました。両氏は、国民の政治不信の高まりや経済の低迷などを受け、経済の構造改革やクリーンな政治を訴えることにより国民の支持を得ました。

■タイでは、農村部に偏った財政支出や汚職による政治不信などから首都バンコクで市民の不満が高まりました。デモ活動が過激化したことから、国軍は事態収拾のため5月にクーデターを宣言し、9月に軍事政権が正式に発足しました。軍人のプラユット氏が首相に就任し、2015年10月頃に予定される選挙で民政に移行するまで政権を担う見込みです。

【ポイント2】経済の構造改革が進展

インドとインドネシアで成長期待が高まる
■インドでは外資企業の誘致や雇用規制の緩和などで構造改革が進展しています。インドネシアでも、来年度予算で燃料補助金を削減し、インフラ整備への投資に振り向ける改革が進んでいます。タイでは、政情の安定化により企業と家計の景況感が改善傾向にあります。

■経済の構造改革による成長期待の高まりなどから、株価は、インドが5月以降、インドネシアが10月以降、上昇基調にあります。

【今後の展開】インフラ整備に向けた投資の拡大などにより成長性が高まる

■インフラ関連など投資の拡大が見込まれる
インドやインドネシアでは、外資企業の誘致やインフラ整備に向けた投資の拡大などが引き続き見込まれます。消費から投資の拡大へ成長のけん引役がシフトし、中長期的に経済の成長性は上向くと見られます。

■タイでは民政移行後の経済政策に注目
軍事政権では、前政権の汚職などを防止するための政治改革や積み残されたインフラ整備計画の実施が進展すると見られます。来年10月頃に選挙が予定されており、民政移行後の政権による経済政策が注目されます。

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