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インドネシアの緊急利上げ(アジア)【キーワード】

2014年11月25日

<今日のキーワード>
インドネシアの金融政策は、中央銀行(以下、中銀)のバンクインドネシア(Bank Indonesia)が毎月定例の金融政策会合を開催し、決定されます。ただし、臨時の金融政策会合が開催され、金融政策が変更されることもあります。主要な政策金利であるBI(Bank Indonesia)レートは、インドネシア中央銀行が公開市場操作を行う際の誘導目標金利です。

【ポイント1】インドネシア中銀が緊急利上げを実施

臨時の金融政策会合により決定
■中銀は、11月18日に臨時の金融政策会合を開催し、政策金利(BIレート)を0.25%引き上げ、7.75%にすると発表しました(実施は19日から)。また、「銀行間取引の上限金利」である貸出ファシリティ金利を0.5%引き上げ8.0%とし、「同下限金利」の預金ファシリティ金利を5.75%に据え置きました。利上げは、2013年11月以来のことです。

【ポイント2】燃料価格引き上げの影響を抑制

物価上昇への予防的な措置
■インドネシア政府は、中銀の緊急利上げ決定の前日夜、燃料補助金の削減を目的としてガソリンやディーゼル燃料の公定価格を3割強引き上げることを決定しました。今回の燃料価格の引き上げにより、消費者物価の上昇率は当面上振れると見られます。

■中銀の発表では、今回の利上げは、政府の燃料価格引き上げにより見込まれる物価上昇を事前に抑制し、中銀の物価目標の達成を図ることが主な目的とされています。利上げにより、内需が抑えられ貿易収支と経常収支の赤字を減らす効果も期待されます。緊急利上げの発表後、株価とルピアに大きな変動はなく、利上げの影響は限定的となっています。

【今後の展開】迅速な政策対応により物価は安定に向かう見込み

■迅速な利上げで物価抑制に本腰
政府による燃料価格の引き上げでは、補助金が減ることとなり、財政負担が軽減されます。これに対し、中銀の迅速な利上げ対応により、燃料価格上昇の影響の抑制が期待されます。

■追加利上げも見込まれ、物価は安定へ
ただし、今回の燃料価格の引き上げにより、消費者物価の上昇は当面加速すると見込まれます。このため、中銀は追加利上げの実施が必要となりそうです。政府と中銀の連携した政策の実施により、物価は徐々に安定に向かうと見られます。

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