モディ政権の経済政策(インド)【キーワード】
2014年11月11日
<今日のキーワード>
今年5月に発足したモディ政権は製造業の発展などを目指し、外資を含む民間活力の導入、インフラ整備、行政・税制の簡素化などに取り組んでいます。モディ首相が州首相時代に積極的な外資の誘致で地元経済を活性化させた実績や、与党インド人民党(BJP)が単独で議会の過半数を制したことなどから、市場ではモディ政権の経済政策(モディノミクス)進展への期待が高まっています。
【ポイント1】日本からの投資拡大にはずみ
日本企業によるインドへの大型投資計画も話題に
■モディ首相は8月末から9月初旬に来日しました。首脳会談では、日本から、官民で今後5年間に3.5兆円の対印融資目標や、直接投資と企業の進出数を倍増させることなどで合意がなされました。
■10月28日、通信サービス大手の「ソフトバンク」は、インドのインターネット通販大手への出資(約680億円)を発表しました。また、同社の孫社長はモディ首相と会談し、今後10年でインド市場に1兆円を投資する用意があることを伝えました。こうした例のほか、インフラ、製造業、金融など様々な分野で、日本をはじめとした海外からの投資が拡大しそうです。
【ポイント2】インド政府内に日本特別チームを設置
日本企業による投資を促進
■インド商工省は10月9日、日本特別チーム「Japan Plus」を立ち上げたと発表しました。これは、9月の日印首脳会談で合意された日本からの対印直接投資を支援する組織であり、インド政府からの4名と日本の経済産業省からの2名で構成されています。
■「Japan Plus」は、日本企業がインドに進出する際に役立つ情報の提供や、直面する様々な問題の解決支援を目的にしています。
■インド政府は、日本政府と共同で企業の投資に直接関わりながら、様々な分析を通じて今後の企業誘致などに生かす方針です。

【今後の展開】中央・地方政府の協力強化によるモディノミクスの加速にも期待
■与党BJPは、10月の地方選挙でも勢力を拡大
政権与党のBJPは、10月15日に実施された北部ハリヤナ州と西部マハラシュトラ州の州議会選挙で、いずれも初めての第1党になりました。北部ハリヤナ州では過半数を獲得し、5月の政権樹立後も同党が支持を広げている状況がうかがわれます。
■モディノミクスの加速に期待
首相の外交努力、単独政権としての強みを生かした迅速な政策決定は既に実績を挙げています。加えて、地方におけるBJPの勢力拡大により中央政府と地方政府の協力関係が深まることで、モディノミクスが加速することも期待されます。