インドネシアの新閣僚(インドネシア)【キーワード】
2014年11月5日
<今日のキーワード>
インドネシアのジョコ・ウィドド(通称、ジョコウィ)大統領は10月26日、新閣僚を発表しました。34人のうち20人が専門家(実業家、経営者、学者など)から選出され、各界で経験豊富な閣僚が多くを占める実務型の内閣となりました。新閣僚は10月27日の就任式で正式に就任しました。また、閣僚候補者への汚職審査を経て人選がなされたことから、クリーンな内閣とも言われています。
【ポイント1】クリーンな閣僚による「勤労内閣」が誕生
ジョコウィ大統領の公約通りの専門家内閣
■市場で注目されていた閣僚の人選は、経験と実績のある専門家が多く、実務型の内閣となりました。ジョコウィ大統領は、専門家を中心とする内閣を目指すとした公約を果たし、新内閣を「勤労内閣」と命名しました。また、閣僚候補へ汚職撲滅委員会などによる審査が実施され、クリーンな閣僚が選出されたとの見方が一般的です。その他、新設ポストとして海事調整相が設立され、漁業振興、港湾整備、海洋交易の活性化など、海洋国家構想の実現に向けた対応が図られています。
【ポイント2】知日派の貿易相など実務経験豊富な人選
人選は市場期待に沿う
■経済閣僚の選出では、市場の期待に応えました。財務相には、バンバン・ブロジョネゴロ前財務副大臣が昇格し、政策の継続性が維持されました。新財務相は、財政問題の把握とその解決策に通じているとの評価が高いことから、燃料補助金の削減など必要とされる経済政策の実施に適任者と見られています。
■経済調整担当相や貿易相、国営企業相などの主要経済閣僚には、インフラの整備、外国企業の誘致に精通する、実務経験が豊富な人が並びます。貿易相には知日派のラフマット・ゴーベル氏が就任し、日本企業との関係が深まりそうです。

【今後の展開】経済構造改革や行政改革の実現期待が高まり経済は高成長へ
■政権は安定の見込み
新政権の議会運営は、野党が議席の過半数を占めることから不安視されていました。足元で、少数政党が与党寄りに傾くなど、情勢は好転していると見られます。議会運営の不安は後退しそうです。
■経済・行政改革の実現により経済は高成長へ
補助金支出による財政負担やインフラ不足の課題は、実務経験豊富な経済閣僚が選出されたことから、手堅い政策実行により進展が期待できそうです。経済構造改革や行政改革の実現期待が高まり、経済の成長性も中長期的に高まることが期待されます。